政治

なぜ政府は原発再稼働を判断しないの?

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全国16原発48基ある原子力発電所のなかで、九州電力の川内(せんだい)原子力発電所(鹿児島県)が、初めて原子力規制委員会の新規制基準をクリアし、再稼働に向けて一歩を踏み出しました。
新規制基準は2011年の福島第一原発事故を受けて作られ、2013年7月に施行。地震、津波に対する耐久性能、火災やテロ対策などの科学的な検証をもって、稼働するための安全水準を満たしているかどうかを審査します。今後、ほかの原発を審査する際には今回の件がひな形になるといいます。
審査が通ったあとは、地元住民の同意を得る政治手続きを経て10月の再稼働を目指します。100%安全とは言いきれないこともあり、万が一を想定した避難計画を立てる必要があります。
なお、規制委員会、政府ともに再稼働するかどうかの判断はせず、電力会社と立地自治体に委ねられています。

尊徳編集長の解説でニュースが”わかる”!

Q.なぜ政府は大事な判断を電力会社や自治体に委ねているのですか? 国策ではないのですか?

A.国(現政権)はすぐにでも動かしたいのが本音。

 第三者にお墨付きを貰った方がもっともらしいじゃないですか。それに、万が一の時に責任を取らなくても済みますからね。ということで、国が勝手に動かす判断はできないですよ。
 規制委員会も国が選んでますからねぇ。

Q.原発を稼働しないことによって化石燃料の輸入が増え経済成長が鈍化するといいますが、安全には変えられない部分もあると思います。現在、国は、というか国民は経済成長と安全のどちらを選んでいることになっているのですか?

A.僕が答えられる質問ではないけど、少なくとも、総選挙時には原発再稼働賛成の自民党を選んだわけですから、総意としては賛成ということになるんじゃないですか?

 反論されそうですが、民主主義とはそういうものです。どんなものも100%なんてありません。何が全体最適(国民一人ひとりではなく国全体にとっての利益を考えること)かを自らが選ぶんですよ。人任せや誰かのせいにしてはいけません。
 安全で安くて、環境にいいのが最適に決まっていますが、そんなものはありません。だから、プライオリティをつけて選ぶしかありません。自分がいいと思うことをいう政治家に投票しないと。(佐藤尊徳)
[参考:「再稼働 ようやく一歩 地元同意が焦点に」(日経新聞3面 2014年7月17日)]

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