イギリス北部に位置するスコットランドで、9月18日にイギリスからの独立の是非を問う住民投票が実施されます。賛成が過半数を占めれば、国土の3割を占める土地と、12分の1の人口530万人がイギリスから離脱し、2016年3月には独立国になります。
スコットランド行政府は、独立後もポンドを使用するつもりですが、イギリスのキャメロン首相は、独立したら通貨のポンドを使うことはできず、年金制度も別になるとしています。
エリザベス女王も政治的問題に言及し懸念を露わにするなか、一般人の世論調査や有名人の賛否表明など、独立への賛否は真っ二つ。
イギリスの正式名称は「The United Kingdom(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)」。300年を超える歴史を持っています。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q.なぜ、スコットランドはイギリスから独立したいのですか?
A.独立した方が潤うと思ってるからじゃない?
決定的なのは1970年代に、主要な海域に北海油田が見つかったこと。莫大な収入があるのに、イギリス政府に財源を管理されていることが不満になったということだろう。
ヨーロッパに6ヵ国対抗ラグビーというのがある。イングランド、フランス、北アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズの6つ。後から加わったフランス、イタリア以外はイギリスの自治区。”6ヵ国”というくらいだから、イギリスはいくつかの国がひとつになった王国ということ。サッカーもイングランド代表はワールドカップ常連だけど、スコットランド代表も当然あるわけで。オリンピックは国の代表だから、地域の代表は出られない。でも一つになろうとしてこなかった。もともと、違う国という意識も大きいのだ。
Q.日本の東北に匹敵する国土が離脱するようなものだとか。独立したらイギリスの国力が著しく低くなると思うのですが……。
A.そりゃ、国力は落ちるだろうよ。
国土の3分の1と人口の約1割がいなくなるわけだから。その分、領海も、領空も狭くなるし。
独立を認めたら、ほかの自治区だって独立したがらないかね?(佐藤尊徳)
[参考:「スコットランド賛否なお拮抗 独立か残留か あす住民投票」(日経新聞2面 2014年9月17日)]
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