家族と過ごす時間をより豊かに シームレスでサステナブルな暮らしを叶える新住宅「IZM(イズム)」

2023.10.3

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家族と過ごす時間をより豊かに シームレスでサステナブルな暮らしを叶える新住宅「IZM」

写真:三井ホーム

コロナ禍をきっかけに、人々の「住まい」に対するニーズや価値観は大きく変化した。テレワークが当たり前になったことで在宅時間は増え、今まで以上に快適な居住空間への欲求が高まっている。これからの時代に相応しい住まいへの欲求に応え、三井ホームが新しいコンセプトの住宅「IZM」を提案した。IZMに込めた想いや狙い、これからの住宅におけるサステナブルとは何かについて、開発者にお話を伺った。

“おうち時間”が増えたことで、住まいへのニーズが変化

今回IZMを開発するにあたって、三井ホームでは現代の人々の、マイホームに求めるニーズや現在の住まいへの不満などをヒアリング。その中で、次のような声が多く聞かれたと開発者で一級建築士の善生泰之氏は明かす。

「ここ数年の外出自粛や在宅ワークなどで、それ以前より家で過ごす時間が増えましたが、いざ、自宅で長時間過ごしてみると、意外に住みにくいことに気づいたという声です。具体的には、『在宅ワークをするのに専用の部屋がなく、web会議に家族が映りこんでしまう』『物音が気になって仕事に集中しにくい』『家の中では、仕事とプライベートの切り替えが難しい』『家族が一日中、同じ空間に集まって過ごすことになり、ストレスが溜まる』『子どもを自由に遊ばせたいが、広いスペースがない』などです。

コロナ禍以前は、日中をそれぞれ外で過ごし、夜だけ家族が集まるケースが多かったため、あまり気にならなかったのですが、家にいる時間が増えたことで“パーソナルスペースの確保”が大きなテーマになったということですね。また、外での気分転換ができなくなったことで、ストレスを抱える人が増えている印象です」(善生さん、以下同)

三井ホーム株式会社 商品開発部 商品開発グループ長 チーフデザイナー 一級建築士 善生泰之さん

こうした住まいへの不満を解消すべく、善生さんをはじめとした商品開発グループが考案したのが“ボーダーのない家”だ。

「特に30~40代の子育て世帯を想定し、その人たちが住みよい家とはどんな家かをテーマに設計やデザインを考えました。一番の特徴は、内と外とのボーダーをなくすことで、開放的な気分を味わうことができる点です。また、部屋を隔てる壁や仕切りを極力取り払い、ボーダレスな広い屋内空間づくりをしました。そうすることで、食事をする場所も仕事や勉強や趣味をする場所も、その日の気分や家族それぞれの好みに合わせて選ぶことができます。従来の家の中では過ごし方が単調になりがちでしたが、IZMの住宅では住む人の思いのまま、多彩な空間の使い方ができるのです」

「直線美」を活かした飽きのこないシックでモダンな外観を実現

IZMの特長を詳しく見ていこう。今回訪れたのは、神奈川県相模原市にあるレジデンスサイト横浜町田に建てられたモデルハウスだ。

「IZM」外観イメージ

まず、最初に目を引くのは洗練された、その外観フォルムだ。白を基調とした家を囲む、落ち着いた黒色のプライバシーウォールの直線美、そして大きく取られた窓。どこにも無駄を感じさせない美しいデザインでありながら、隣地からの視線を遮る計算もしつくされている。

「屋根はウイングルーフという、今回新たに開発した屋根型を採用しています。建物を道路側から見ると、屋根が水平になっており、見上げた際に屋根の上面が見えません。直線を活かしつつ、ソーラーパネルを設置しても見栄えが悪くないようにと、この形状を考えました」

道路側(画像左前)から見ると屋根の上面が見えなくなるだけでなく、高い壁が目隠しの役割も果たすという設計になっている。

住む人にとって使い勝手の良いレイアウトを優先

全体的に屋内と屋外、それぞれの役割を持つ空間同士がシームレスにつながっているという印象だ。まず、広いエントランスを入ると、右手にコートなどの上着も掛けられる手洗い場がある。これは、帰宅してすぐ上着を脱いで、手洗いやうがいができるような動線を想定している。同時に、花粉やウイルスなどを生活空間に持ち込むリスクも減らせる。

ドアを開けた先は、木のぬくもりを感じるLDK。リビングとキッチンを隔てる壁はなく、2カ所に設けられた大きな窓から自然の光と風が差し込む、広々とした空間だ。

「リビングの外には、『オープンラナイ』と呼んでいる屋根のないオープンガーデンがフラットに続いていて、庭に植えた木々の成長を楽しみながら、寛ぐことができます。また、オープンラナイで子どもたちを遊ばせながら、大人はリビングで見守るといった使い方も。一般的なベランダは人目が気になりがちですが、そこはプライバシーウォールがちょうど外を歩く人の目線を遮る高さになっているので安心です」

半戸外空間「オープンラナイ」。床は、水はけが良く、汚れが付きにくい素材を使っているという。日々の手入れが負担にならないので、子どもたちが少々汚しても大丈夫。花火や水遊びなど、外出をしなくても家族の思い出がつくれそうだ。

キッチンは、あえて対面式にはしなかったと善生さん。

「対面式にすると、料理する人・食べる人が分断されてしまう気がしたからです。みんなで料理をして、みんなでワイワイ話しながら食べる、そして片づけも協力して。そういう仲良し家族をイメージして、このキッチンをつくりました」

キッチンのファストカウンターと一体になったダイニングテーブルはスマートなデザインで調理も食事も広々と楽しめる。

キッチン横の窓を開けると、今度は屋根付きの屋外スペース「ダイニングラナイ」がある。家具とキッチンが設置してあり、外での調理や食事が可能だ。バーベキューやピザを焼いたり、朝食や午後のおやつをここで食べたりと想像が広がる。

屋外パーティにもぴったりなダイニングラナイ。オープンラナイともつながっているため、とても開放的だ。

リビングから2階へ続く階段の下のスペースにはソファが置かれ、ちょっとしたプライベート空間になっていると善生さんは説明する。

「みんなと同じ空間にはいたいけれど、プライベートな過ごし方もしたい、ちょっと一人で集中したいというときに、この一角が目立たないため重宝します。仕切りでスペースを区切らなくても、工夫次第でプライベート空間はつくれるのです」

趣味人やアウトドア派からの反響が大きい「ガレージキャビン」

エントランスにあるもう一つのドアの先は「ガレージキャビン」。車庫とつながった小部屋で、クルマ用品やアウトドアグッズを保管したり、道具のメンテナンスをしたりといった使い方を想定している。

「見学に来た人たちから一番反応が良いのが、ここです。特に車や機械いじりが趣味の男性や、釣りやキャンプが好きな人たちが『大人の隠れ家みたいだ』と喜んでくれます。リビングから離れているので、静かに一人で仕事をしたい場合の書斎としての活用もできます」

「ガレージキャビン」はガレージへ直接出入りできるので、クルマへの荷物の積み下ろしもスムーズ。

寝室や浴室、ランドリールームを備えた、生活空間としての2階

2階にはベッドルームやバスルーム、ランドリールームなど生活のための空間が配置されている。また、リフレッシュのための空間や仕事・勉強向けのワークスペース、屋外にはバルコニー「スカイラナイ」も。

「ランドリールームは全館空調で湿度調整し、バルコニーもつながっていることで、外干しも部屋干しも可能です。洗濯物を取り込んで、ハンガーのまま吊るせるファミリークロークも併設してあります。大きめのクローゼットなので、家族の衣類をいちいち各部屋に仕分けて運ぶ手間も要りません」

在宅ワークで疲れたときは、リフレッシュ空間へ。スカイラナイからの採光いっぱいの空間で、昼寝をしたり音楽を聞いたり。心身がスッキリすれば仕事の効率もアップするに違いない。

全館空調で年中快適かつ電気代も節約

IZMの屋内で過ごしていて気づくのは、家中のどこにいても常に適温であることだ。全館空調というと、電気代がかさんで家計を圧迫しそうなイメージがあるかもしれないが、IZMの住宅はエネルギーコストをほぼゼロにすることが可能だと、善生さんは胸を張る。

「この家はプレミアム・モノコック構法で建てられています。木造の家でありながら、高耐震・高気密・高断熱な性能をもち、大きな窓や吹き抜けがある大空間でも、省エネで空調を効かせることができるのです」

プレミアム・モノコック構法

欧米で主流の、耐久性と断熱性に優れた「枠組壁工法」に加えて、三井ホーム独自の技術となる屋根そのものに断熱性を持たせた「ダブルシールドパネル」、外部からの湿気を遮断する「ブロック・アンド・シームレスウォール」、従来の2倍以上の鉄筋で剛性を高めたベタ基礎「マットスラブ」を加えたもの。

また、屋根の構造にも独自の技術「ダブルシールドパネル」が使われているという。

「通常の日本住宅は、天井裏に断熱を施す“天井断熱”が一般的ですが、それでは断熱性や気密性が落ちる上、生活空間としては使えないスペースが生まれてしまうのがデメリットでした。そこで、三井ホームでは屋根そのものに高い断熱性や気密性をもたせる技術を開発し、天井断熱ではなく“屋根断熱”という断熱方法を採用ました。“屋根断熱”にすることで、天井裏がなくても空調が効きやすく、吹き抜けや屋根裏部屋など、スペースの有効活用ができます」

屋根断熱の「ダブルシールドパネル」のイメージ。
屋根断熱にすることで、天窓による採光もしやすくなった

家計と環境にやさしい家づくりの基準として「ZEH(ゼッチ/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準」というのがある。プレミアム・モノコック構法はこの基準を満たし、住宅性能表示制度の「断熱等性能等級5」「一次エネルギー消費量等級6」に対応。大容量の太陽光発電システムによる自家発電や、電気自動車による蓄電システム(V2H)も備えているため、日常生活での電力をまかなうだけでなく、有事の際の非常用電源確保にも役立つ。

三井ホームが考える「住宅のサステナブル」とは

家計のみならず環境にもやさしい家というのは、まさに今の時代に求められるサステナブルだが、三井ホームでは今後どのようにして社会のサステナブルに貢献していこうと考えているのか。善生さんが挙げたのは3つのポイントだ。

「1つは、木造の家づくりです。三井ホームはこれまでも木造にこだわった家づくりをしてきました。木造建築は建築時のCO2排出が少なく、仮に建物をすべて木でつくったとすると、RC造・鉄骨造の約1/2に抑えることができるといわれています。さらに、木材は生長する過程でその中にCO2を蓄える性質があり、大気中のCO2濃度の上昇を抑える働きもあります。つまり、建物を木造にするだけで、地球環境に貢献することができるのです」

「2つめは、できるだけ国産の木材やリサイクル木材を使うことです。海外から木材を輸入するより、国内で育てて国内で消費したり、再利用したりすれば輸送や処分にかかるコストが削減でき、CO2抑制にもなります。国産資材を多く使うことで、日本の植林が進み、林業が盛んになれば、この国の産業・経済においてもサステナブルが実現するものと考えます」

「3つめは、長く愛してもらえる家を建てることです。三井ホームは長寿命の家づくりを使命としてきました。大事に住めば親子3代で、メンテナンスやリフォームをすればもっと長く住み続けることも可能です。そのためには、飽きずに長く住んでもらえることが重要。時代にあわせて柔軟に変えていく部分と、伝統として守り続けていく部分、また、住む人の好みやこだわりなどのバランスを兼ね備えた、“住めば住むほど好きになる家づくり”をこれからもしていきます」

若い人たちの間では、サステナブルはもはや当たり前の意識になりつつある。これから家を買うならば、人と自然にやさしい家、長く愛せる家を選ぶことが、サステナブルへの貢献になると言えそうだ。