“水を買う”時代になって久しい。コンビニなどペットボトルが売られる一方、宅配水と呼ばれる「ウォーターサーバー」を選ぶ人も増えている。国内市場1,000億円といわれる宅配水業界で着々とシェアを広げるプレミアムウォーターという企業がある。何がそんなにウケているのか?
同社が特集されたテレビ番組も。
「勝間和代 デキビジ プレミアム(BSジャパン)」※短縮版
萩尾陽平
プレミアムウォーターの特徴[1]
衛生管理を徹底した高品質の水
主な水源は山梨県富士吉田市。地下約200mから採った天然水を空気に触れずにパッケージし、配送。多くのペットボトルが加熱処理をするなか、プレミアムウォーターは風味を損なわないよう加熱処理はしない。その分、工場では1時間に1回の品質検査を行い、徹底して衛生的な採水環境を整えている。
また、富士吉田市に加え、2014年10月から熊本県南阿蘇市にも水源を確保。ブナ原生林の地下層でゆっくり磨かれ、「名水百選」にも選ばれた名水を提供している。
さらに、外気が入りにくい収縮性のペットボトルを採用している点も特徴だ。水として最もランクの高い非加熱天然水は、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムの4大ミネラルをバランスよく含み、そのまま飲むのはもちろん、料理に使えば素材のおいしさが際立つ。
プレミアムウォーターの特徴[2]
“家電”として優秀なウォーターサーバー
ボタン一つでいつでも天然水の冷水(約5℃)と温水(約85℃)を利用できるのは、思いのほか便利なもの。冷蔵庫と同じように常にコンセントにつながれたウォーターサーバーは、生活に深く関係する”家電”といえる。
一般的に、水を買うとしたらコンビニやスーパー、ネットで購入するか、プレミアムウォーターのようにウォーターサーバーを設置するかの2択だろう。その点、ペットボトルが定期配送され、購入・冷やす・沸すという手間を一つで解消できるウォーターサーバーは、時間が惜しい現代人向きのアイテムだといえる。コストが許せば選ぶ人が増えるのもうなずける。
都市と地方をつないで日本の水を海外へ発信
天然水の宅配を手掛ける同社は、設立11年目の営業会社。
「さまざまな商品を扱うなかで、ウォーターサーバーがダントツで解約率が低いデータがありました。つまり、需要はあるけど知らない人が多いということ。そこに注目し、それまで培ってきた知識と経験から一番いいと思う水を選んで自社ブランド化しました」(萩尾社長)
水を宅配する事業だが、あくまでサーバーとのセット商品だ。
「電化製品の販売だと考えています。つまり、サーバーが流通しないと水も流通しない。そこに水だけを売るビジネスとの違いがあります。最近は都市部では認知度が上がってきましたが、田舎で暮らす方にはまだ浸透していません。そういった方々にアプローチしながら少しずつ認知度を上げ、シェアを広げていきたいと思います」
動画にもあるように、萩尾社長は水源を訪れ、そこで暮らす人たちとの連携を大切にしている。関係性は事業の”パートナー”だ。
「おいしい水があるのは、水源を守っている人たちがいるからです。今後は水と一緒に地元の米や野菜をセットで売るなど、都会と田舎を結ぶビジネスをやっていきたい。そうすれば、人口の少ない地方が海外で勝負できるビジネスチャンスも出てきますから」
近年はシンガポールでも売り始め、海外在住の日本人やメイド・イン・ジャパンを好む外国人に好評だという。萩尾社長が見据える地方活性化は、決して夢物語ではない。