衆院選の公示を2日後に控え、与野党9党の党首が11月30日にNHK、フジテレビの討論番組に相次いで出演しました。
自民党の安倍総理は、【定数削減】などの衆議院選挙制度改革について、衆院議長の諮問機関「衆院選挙制度に関する調査会」の答申に従う考えを明言し、民主党の海江田代表に同調を求めました。
海江田氏は「もちろんです」と応じ、維新の党の橋下共同代表も「皆で従いましょう。首相の決断でやるべき」と同調する一方、両社ともに身を切る改革の必要性を述べました。
調査会は「1票の格差」是正策を先行し、各党の隔たりが大きい定数削減はその後、答申する方向で検討し、来年まとめるとみられています。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q.2012年11月の衆院解散時に、安倍総理は定数削減に同意した経緯があるようです。実行されない理由は何ですか?
A.やりたくないんじゃないですか。
自民党は前回大きく議席を伸ばした。定数削減になると、自民党の選挙区調整など、利害が絡むことが多くなるから、なかなか前に進めないということ。
僕はこの点において、非常に憤っている。立派な公約違反だ。
自民党は定数削減自体には賛成してるのに、実際どうするかという各論になると、うやむやにしてなかなか実行しない。
つい最近も野田前首相が、「安倍総理に裏切られた」と発言しているし、前衆議院議員の藤井裕久氏も「ウソつき」呼ばわりをしている。でも、国民に約束したことは実行しないと。
このことも判断して有権者は投票すべきでは?
Q.そもそも、なぜ定数削減する必要があるのですか?
A.どう思う? 衆議院が475人(今回の選挙から0増5減を実施)、参議院が242人います。
僕は多いと思う。もう少し効率化して、1人にかけるコストが上がっても、質の高い仕事をしてほしい。
Q.党によって、求められる削減数が違うのですか?
A.違うよ(笑)。今いる議員を減らすんじゃなくて選挙で、当選する人を減らすの。
削減数は全体に対してであって、党ごとに割り振られるわけではないよ。
どの党も、どの選挙区を減らすのか、どういう減らし方をするのかなど、選挙の際に自分たちにできるだけ有利にしたいと思っている。
例えば、四国では自民党が圧倒的に強い。自民党は定数削減には賛成しているけど、そういう自分たちが強い選挙区を減らしたくはないじゃない? そうなると一転して反対しはじめるんだ。
(佐藤尊徳)
[参考:「首相『定数削減、議長に従う』」(日経新聞2面 2014年12月1日)]
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