北朝鮮のサイバー攻撃断定でオバマ動く

2014.12.22

社会

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11月下旬、北朝鮮の金正恩氏第1書記を題材にしたコメディを製作したアメリカの映画会社、ソニー・ピクチャーズエンターテイメントがサイバー攻撃を受けました。

FBIがサイバー攻撃に北朝鮮が関与したと断定したことを受け、オバマ大統領は12月21日、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定するかどうか検討していることを表明しました。

サイバー攻撃の大半が中国の通信網を経ているとして、通信網を遮断するよう中国に協力を求めていますが、米企業にサイバー攻撃したとして米政権が中国当局社5人を起訴した経緯もあり、中国は要請に応じていません。

米政府は、イラクやシリアで勢力を拡大するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」へ空爆を続けるものの、大きな成果が上げられていません。今回の北朝鮮への対応次第では、今後のテロとの戦いに影響が出かねないことを懸念して、厳しい対応をする構えです。
しかし、米政権内でも対応策の意見が分かれています。

ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説

Q.今回のサイバーテロは民間企業に対して行われていますが、対応は政府がするのでしょうか?

A.アメリカの威信に賭けて対処する、との意志でしょ。

 FBIの捜査で北朝鮮がサイバー攻撃の大本だと断定しているし、こうなったら、一民間企業とか関係ないんだよ。放っておいたら、国の機関も狙われるかもしれないし。

 それに、国内世論も大きな影響があると思う。中間選挙で大負けしたオバマ大統領は、シリアの空爆問題でも弱腰だと批判された。これ以上弱い印象を与えるわけにはいかない。

 対テロ戦で成果を上げているとは言えないオバマ氏は、国家が厳正に立ち向かう姿を見せたかったんだと思う。「これは、北朝鮮のアメリカに対する挑戦だ」と。
(佐藤尊徳)

[参考:「テロ支援国家 再指定検討 米、北朝鮮に圧力 サイバー攻撃中国にも協力要請」(日経新聞7面 2014年12月22日)]

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