26日、先の衆院総選挙後初めての通常国会が召集されました。政府・与党は”経済最優先”を実現すべく、15年度予算を年度内に成立させることを目指すほか、今国会で約90本の法案を提出する予定。
一方野党は、政府が夏に出す【戦後70年談話】に対する安倍総理の歴史認識などをただす。
そのほか、集団的自衛権の行使容認を含む【安全保障法制】、”岩盤規制”と呼ばれる【農協改革】、【労働基準法】、昨年審議されなかった【カジノ法案】など、波乱含みの法案が目白押し。4月に統一地方選を控えるなか、与野党が論戦を繰り広げる。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q.尊徳編集長は何に注目していますか?
A.農協改革ができるかどうか。
岩盤規制といわれる農協改革ができれば、安倍政権はホンモノ。
2000年初頭の小泉構造改革では、誰もができないと言った郵政改革をやった。私にとってはとんでもなくすごいことだった。
まず、電波の許認可は郵政省(現総務省)が行うので、郵政省の監督下に置かれたテレビは盾突かない。郵便局従業員は公務員で数も多く自治労(全日本自治団体労働組合)が強いため、自治労が支持していた社会党や民社党などの野党も反対をしない。さらに自民党の集票マシーンだった大樹会(郵便局長OB会)の存在も強いという状況があって、誰もが改革を進められないなか、小泉元首相は断行して岩盤規制を崩した。
そういう意味で今回、安倍内閣が自民党の集票団体である農協を敵に回して岩盤規制を崩せるか、という点に注目したい。佐賀県知事戦では、農協を味方につけた元総務官僚が、自民党公認候補を破っている。それでも農協改革をやり切れることができれば、安倍首相の本気度が伝わる。頑張れ総理!
Q.4月までの与野党論戦が、統一地方選に影響することはありますか?
A. 残念ながら、ないと思う。
”残念ながら”というのは、統一地方選は国政ほど有権者の関心が高くないから。自分のところの市会議員や県会議員の名前知らないでしょ? 言い方は悪いが”所詮”地方選挙。今のような中央集権国家で、地方自治の自主性があまり発揮されないようでは仕方のないことだけど。(佐藤尊徳)
[参考:「通常国会開幕 安保・農協・雇用が争点に、与党内調整にも火種」(日経新聞朝刊4面 2014年1月27日)]
★★もっと知りたい! 本誌に出せない情報をメルマガで配信中★★
無料メールマガジンの登録はコチラ