公人たる政治家は、一般市民よりも行動に制限がかかる。その一つが政治活動にかかるお金の集め方や使い方だ。政治資金規正法という法律でお金の流れを決められている。強大な権力の行使が可能な政治家は、自らを律することも必要だし、透明性も求められる。それがない人は政治家を続けてはいけない!
説明できないなら政治家を辞めてしまえ
「説明してもわからない人には、わからない」と言い放った西川公也前農林水産大臣。大臣を辞任はしたけど、いやいやこの人、政治家辞めた方がいい。国の税金から給与をもらい、国から政党助成金を支給されている(正確には党からその一部を受け取る)人間が言う言葉じゃない。政治家には当然、国民に対する「説明責任」が伴うので、説明してわからないことを行っている人間が政治家を続ける資格はない。
違法性がないからといって、何でも許されるわけではない。ましてや説明できないことは、違法性があろうとなかろうと論外だ。それに、大臣を辞める理由が「内閣に迷惑をかけるから……」というのは国民をバカにしている。内閣は国民のためにあるんじゃないのか? 何を勘違いしてるんだか。
その他、現内閣では下村文部科学大臣、上川法務大臣にも「政治とカネ」の問題が浮上して通常国会の予算委員会が紛糾している。
国会の予算委員会とは、次年度の日本国の予算を審議して、執行の裏付けになるものだ。ここで予算が通らなければ、次年度のすべての国の業務が停止してしまう。1年のうちでもかなり重要な国会である。
国会を運営するには、1日約3億円弱の経費がかかる計算になる。これは議員歳費などを日割りしたものと、警備などの経費を入れた単純計算だが、これだけの費用をかけながら、「カネ」の問題で本来の審議を遅らせるのはいかがなものかと思う。
とはいえ、疑惑のある政治家をそのままにして、粛々と審議するというのもどうかと思うので、予算委員会は予算委員会でしっかりと審議をして、疑惑議員は別の追及委員会を開いてやるべきではないだろうか。予算の執行が遅れればそれだけ、景気にはマイナスに作用するのだから。
議員も監査法人に監査させよ
ある国会関係者が、「この問題(補助金をもらった企業からの1年以内の献金)を本気で追及したら、与野党含めていくらでも出てきてしまうから、あまりやり過ぎると大変なことになる。献金先をいちいち調べてはいないので……」と漏らした。
確かにそうだろう。小口でたくさんあれば、調べるのもかなりの労力だ。だからといって、うやむや、なあなあで済ませてはいけない。政治資金規正法には、献金に関する禁止事項が定められているのだから、唯一の立法機関である国会に仕える人間が、法律を遵守しないのではこの国は成り立たなくなる。
例の、小渕前経済産業大臣の政治資金の問題もうやむやのままだ。これは東京地検特捜部の捜査が続いているので、結果を待ちたいと思うが、私が仕入れた情報では、小渕氏本人はまったく知らなかったので、「何が悪いのか?」と意識が薄いと聞く。知らなかったから自分には関係がない、というような無能な議員がいることはこの国にとって不幸だ。
これだけ「政治とカネ」の問題が浮上するのであれば、何か抜本的な改革が必要だ。民間の場合、上場企業は監査法人による監査に通らなければ決算ができない。国会議員の収支も外部の会計事務所に監査をしてもらい、監査証明がなければ活動ができないという決まりを作ってはどうだろうか。もし会計事務所とグルになって問題が出たら、監査証明を出した会計事務所にも罰則を課すようにすればよい。国民と約束(議員定数の削減など)したのに、自分たちの首を絞めるようなことは、なかなか決めない国会だから期待はできないけど。