原子力発電所で発生する「核のごみ」の世界初の処分場の建設が、2015年にもフィンランドで始まります。
電力会社出資のポシバ社が建設する「オンカロ処分場」の予定地は稼働中の2基の原発近くで、すでに「核のごみ」処分の実験施設が稼働しています。地下約450mの坑道からさらに延びる穴に「核のごみ」を埋めていき、100年後、施設が満杯になった段階で完全に封鎖する予定。最大9000トンという容量は、稼働中の原発4基と、建設・計画中の2基を50~60年運転した場合に発生するゴミの量に相当します。
再稼働を予定する日本も例外ではなく、原発を稼働させている多くの国では地元住民との調整が難航し、処分場の選定が進んでいません。具体的な地名が挙がるのはフィンランド以外ではスウェーデンとフランスの2ヵ国のみ。
日本は使用済みの核燃料を再処理し再び燃料として利用、高レベル放射性廃棄物の量を減らす方式を採用していますが、処分場に関してはいまだに場所の選定方法が確定されていません。
ニュースが”わかる”尊徳編集長の解説
Q原発が運用されている国はどのぐらいあるのですか?
A僕も正確な数字は知らなかったけど、調べてみると約40ヵ国のようだ。
いくら原発を輸入したとしても、ある程度の経済力と技術力のある国でないと稼働できない。その中でも自国の技術でできるのはほんの数ヵ国だと思う。
Q処分場がないのなら、現状出続ける「核のごみ」はどのように扱われているのですか?
A基本的に使用済み燃料プールに保管されてるよ。
核燃料というのは、水の中にあると放射能が拡散しない。(水は汚染されるけど)福島もずっと水を入れ続けてるでしょ。処分場がなくても、プールに入れて”とりあえず”保管してるの。いつか処分場ができたときに埋めようと思ってるんだろうけど、今は極端に言うと、取り急ぎ原発を作ってしまえ!……って感じかな。
(佐藤尊徳)
[参考:「フィンランド、年内着工へ『核のごみ』世界初の処分場」(日経新聞7面 2015年5月21日)]
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