一般発売されたチケットの初日販売枚数が20万枚を超え、1年先まで完売するほどの人気を誇る最新作『アラジン』。第5作目となるディズニーミュージカルの舞台裏に潜入し、その魅力に迫った。
年内はほぼ完売。2016年末までの上演が決定!
2014年3月にブロードウェイで開幕したディズニーミュージカル『アラジン』が、2015年5月、日本上陸を果たした。劇団四季による日本公演のチケットは、年内はほぼ完売。ストーリーの面白さ、楽曲の良さとミュージカルの醍醐味が凝縮し、「魔法のじゅうたん」をはじめとする豪華絢爛なステージ美術など、ディズニーの英知を結集したエンターテインメント作品は日本でも今、空前のヒットを博している。
劇団四季史上、最高とされる額を投入
新体制になった劇団四季が初めて手がける大作とあり、その意気込みは計り知れない。製作費は非公表だが、劇団四季史上、最高とされる額を投入。出演キャストは、メインからアンサンブルに至るまで劇団員でなくても挑戦できる公募オーディションで決定した。
2015年3月下旬に、ブロードウェイ版のスタッフが来日し、本格的な稽古がスタート。「演じる君たち自身が楽しめなければ、お客様に楽しさは伝わらない」。稽古中、ブロードウェイのスタッフが幾度となく発したこの言葉が、『アラジン』という作品の魅力を雄弁に語っている。ショーアップ精神に満ちあふれた作品だ。
日本語訳詞には、劇団四季のOBで、アニメ映画『アナと雪の女王』の日本語訳詞を担当した高橋知伽江氏を起用。上演台本は、開幕直前まで日本の文化、そして四季のテイストに沿うように何度も改定を重ねた。
最新技術を惜しげもなく採用 舞台機構の豪華さも前代未聞
色彩豊かで豪華絢爛な舞台機構に加え、最新技術を駆使した装置も『アラジン』の特徴のひとつ。舞台に出現する建物はワイヤレスで制御し、吊り物や装置を動かすモーターの数は他演目とはケタ違いの多さだ。
「劇団四季でもこれだけ多くの機構を使っている演目は他にありません」(舞台監督・笠原俊典氏)
吊り物や装置は湿度にも左右され、また、煙を使うシーンもあるので空調にも気を配る。「ジーニーの魔法を、どれだけ舞台で再現できるかがこの作品の肝になっていると思います」と語る笠原氏に、華麗な舞台の裏にある静かな情熱を垣間見た。
衣裳着数は300着以上。細かな刺繍が施されたものや、1着に1,500個以上のビーズが手縫いされているものなど、華やかな衣裳が多いが、「ニューヨークではガラスのビーズを使っている部分に、より軽いアクリルのビーズを用いたりもしています」(衣裳部・小町谷茜氏)と、俳優の使い勝手を配慮し、軽量化の工夫も。
ジーニー役 瀧山久志さんに聞いた『アラジン』の魅力
究極のエンタテイメントに「人生賛歌」を加味
作品の至るところに、お客様に楽しんでもらうためのアイデアが散りばめられている、エンターテインメント性の高い作品です。ジーニーという役柄を演じるにあたっては、ブロードウェイのスタッフから、「彼は太陽のような存在なのだから常に高いテンションをキープするように」と指示がありました。とにかく楽しいこの作品に、劇団四季では、生きることがいかに素晴らしいかという「人生賛歌」の要素を盛り込みました。
ディズニー映画のミュージカル化というと、子ども向けの作品と思われる方が多いかもしれません。もちろんお子様にも楽しんでもらえる作品ですが、『アラジン』には人生経験を積まれたからこそ理解できるメッセージが詰まっています。
ミュージカルには興味をお持ちでないという方もいらっしゃると思いますが、カラオケやお食事に行かれる感覚で、一度、触れてみてはいかがでしょうか? 損はさせません。明日への扉を開いていただけるような舞台をご用意しておりますので、ぜひ、劇場へいらしてください。