通算公演回数1万回突破！『ライオンキング』と歩んだ17年

2015.9.10

2015年7月15日に通算公演回数1万回に達した「ライオンキング」。観客総数も1千万人を超えるロングラン公演の代名詞だ。1998年の初演からの軌跡をたどる。

プライドランドの王・ムファサの息子・シンバは、王国再建に立ち上がる物語の主人公。

日本の演劇記録を更新中！劇団四季の代名詞

上演17年目に突入した『ライオンキング』は、日本演劇史上、前人未到の無期限ロングラン記録を更新中だ。

1995年、ディズニーは前年に大ヒットを博したアニメ映画『ライオン・キング』のミュージカル化を発表。気鋭の女性舞台芸術家、ジュリー・テイモア氏は、日本の文楽や歌舞伎の様式美など、世界中のパフォーミングアーツや芸術から着想を得た独自の表現方法を用い、舞台上に広大なサバンナとアフリカの大地に生きる動物たちを描き出し、ミュージカルの枠を超えたエンターテインメントに昇華させた。

劇団四季での初演は、アメリカ演劇界最高の栄誉であるトニー賞6部門を受賞した、ブロードウェイ版の開幕後からわずか1年2ヵ月後の1998年12月20日──。ここから始まる快進撃は、劇団四季の名をあまねく知らしめることになる。

年をとったヒヒの呪術師・ラフィキ。シンバに助言し導く。

シンバとともに成長する仲間、ティモンとプンバァ。人形浄瑠璃や文楽など、日本の伝統芸能からもインスピレーションを受けたというテイモアは、動物の身体の特徴を「パペット」で表現。

東西同時ロングラン敢行中の
国民的エンターテインメント

日本初演にあたり、俳優たちは南アフリカ大使館でズールー語を習い、何時間も動物を観察するなどして作品の世界観への理解を深めた。また、『美女と野獣』に続き、東京・大阪の2都市同時ロングラン公演を実施。福岡、名古屋、札幌でも巡演ロングランを行っている。

2000年には「めちゃ×2イケてるッ!」（フジテレビ）の企画でナイナイの岡村隆史が出演したほか、同年の「NHK紅白歌合戦」では、同作のテーマ曲ともいえる「サークル・オブ・ライフ」も披露し、飛躍的な知名度向上につながった。近年では同作の観劇が修学旅行の定番のひとつとなるなど、今やミュージカルに興味がない人でも、作品の名前は耳にしたことがあるであろう国民的エンターテインメントとなっている。