求む、話せるエンジニア<GMOインターネットグループ>
2016.1.12
0コメント「すべての人にインターネット」を合言葉に、ネット事業を展開するGMOインターネットグループ。スタッフの約4割がエンジニア・クリエーターだというが、企業側が彼らを「宝」と表現するところが面白い。そこには、働き手にとってどんな環境が用意されているのだろうか。
「ちょっといいかな」で始まるミニ会議
20年以上ネット事業を手掛け、その特性を理解しているGMOにとって、提供するサービスは価格、スペックともに一番でなければ生き残れないという認識がある。そのため、サービスを作り続けられるエンジニアやクリエイターといった人材の確保が不可欠だ。
創業当時は外部のリソースで対応せざるを得ないこともあったというが、自社と外部では開発のスピードがまったく違う。ネットサービスのメーカーとして内製化が絶対だと悟ったGMOは、早い段階から内製化を進めてきた。その対応は同社の随所に見て取れる。
例えばフロアのレイアウト。以前は事業部門と開発部門の部屋やフロアが分かれていたが、すべて一つのフロアに集め、部門を隔てるパーテーションも撤去。ユーザーと接する最前線と作り手がすぐに集まり、相談できる距離感を作っている。
とかくエンジニアは単独の仕事と思われがち。実際、日本のエンジニアは、発注されたものを仕様通りに作るという世界に生きている人がとても多い。そんななか、サービスプロバイダーであるGMOでは、用いる技術は同じでも、プロジェクトへのかかわり方が根本的に違う。エンジニアが働く環境としては、業界内でもマイノリティーかもしれないが、一方でモチベーション向上につながっているようだ。
スキルを発揮・向上させるサービスの多様さ
抱えるサービスの幅広さは、スキルを発揮、向上させる場としても魅力的だ。ドメイン、レンタルサーバー、証券取引、決済、認証、EC、ネットメディア、広告など、これだけ多岐にわたり、かつ大規模トラフィックを扱える企業は日本でも数少ない。未体験のジャンルが勉強できるというのが入社の決め手になっているエンジニアも多いという。
GMOが彼らに求めるのは、”素直に物事に取り組めること”。チームワークがベースにある以上、人の意見を聞き入れる器は必要だということだ。同社の副社長・西山氏も、「いくら技術がすごくても、自分のことしか考えていない人には向かないと思います」と率直。グループ全体で約4500人のスタッフにとって、”寡黙な”エンジニア像なんてどこにもないのかもしれない。
エンジニア・クリエーターに知ってほしい
GMOインターネットグループの働く環境 by西山副社長
企画と作り手の一体感
「企画段階からエンジニアも参加し、一緒になって『こういうやり方したらいいんじゃないか』と打ち合わせします。だんだんブレークダウンしていったところにデザイナーが入り、UXを決め、リリースまで行きますよね。間にマーケティングが入って、その後、結果が出ます。それにサポートが対応するというのが一連の流れ。
GMOでは、これをチーム全員でやるんですよね。エンジニアにとっても作って終わりじゃなくて、進化させ続けるんです。だからサービスは自分の子どもみたいなもので、ものすごく思いが入ってくる。エンジニアであっても売れているのか売れていないのかが気になるし、ユーザーの評判も気になる。『お客様の顔が見えるサービスを作れるうれしさがある』というエンジニアも多い」
めちゃくちゃ高い定着率
「エンジニアの定着率に関しては、入社から60カ月でも9割近くが残ります。エンジニアはスキルがあるから転職しやすい職種で、しかもこの業界引く手あまたな状態なので、それを考えると非常に高い定着率。中には、海外にチャレンジしたいといって留学するために辞める方もいますが、昨年一年間なら定着率100%。
一時ゲーム業界がバブルになったとき、企業間の取り合いがすごかったんですよね。お金を出さないと良い人材が採れなかった。でも、われわれは一切そういうことをやりませんでした。いくら優秀でも、そういう方はすぐまたどこかへ行ってしまうので。自分たちのスタイルを見せ、こういう考え方だと言い続けます」
トップエンジニアがいる
「仕事ができるエンジニアほど、誰と仕事するか、何の仕事をするかにこだわります。エンジニアはエンジニアを呼ぶんです。だから採用の段階で、その人の分野にかかわる弊社の最高峰のイケてるスタッフと会ってもらって、どんなものを作りたいかエンジニア語で話してもらいますね。人事も横に付いているんですけど、何を言っているかわからない(笑)。そこで、『こんな仕事できるのか!』『そんなチャレンジがあるのか!』というような魅力を見出してもらっています」
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