情報が飛び交う現代社会で、本当に役に立つ情報を持っている人はどれだけいるか。政治・経済にかかわって二十数年のキャリアを持つ佐藤尊徳編集長が、「政経電論」第3号について、大学生が押さえておくべき情報をまとめます。目の前にある情報を武器にするか消費してしまうかは、あなたの行動次第です。
佐藤尊徳編集長から学生へ
巻頭インタビューにご登場いただいた野尻さんと藤田さんは、20代で起業したということもあって、学生の方々には参考になる話が満載でした。特に今回は若者に向けて、挫折のこと、採用基準などを聞いたこともあって必読です。
資格を取って独立をする、会社勤めをする、ベンチャー企業を創業する等々、社会に出てからの選択肢はたくさんありますが、共通しているのは一人では何もできないということ。重要なのは人との関わり方です。
挫折を経験すれば人にも優しくなれますし、心が強くなります。わざと失敗して挫折する必要はありませんが、ギリギリの勝負をしているからこそ、失敗も多くあるのです。いつも失敗をしないように、石橋を叩きながら渡っているばかりでは、天井が決まってしまいます。藤田さんや野尻さんのような成功者でも、やりきれなくなるほど”どぎつい”失敗をしてきているのです。そして、一方では失敗してそのまま華やかな世界から消えていった人もゴマンといます。しかし、若い頃の失敗は取り返せるし、糧にしてさらに大きくなることもできます。次号では、2人が採用したい人材の話など内容も盛りだくさん。これからの参考にしてもらえると思います。
特別鼎談 俺たちは、こうしてどん底から這い上がった サイバーエージェント代表取締役社長 藤田晋 × テイク アンド ギヴ・ニーズ代表取締役会長 野尻佳孝×「政経電論」編集長 佐藤尊徳
また、前号に引き続き堀江貴文さんのインタビューも掲載。その頭の回転の速さには舌を巻きます。じっくり読んで彼の先見性の確かさを感じてみてください。ライブドア事件で堀江さんは一回りも二回りも大きくなりました。経済的に大きな損失を被りましたし、時間的に拘束もされましたから、トータルでプラスではなかったでしょうが、マイナスばかりではなかったはずです。人間は大病、投獄、浪人のいずれかを経験すると大きくなる、と過去の偉人たちが口にしますが、私の周りもその通りになっている方が圧倒的です。
SNS株式会社ファウンダー 堀江貴文「自分がいいと思うことは、どんな人にとってもいいことだと思う」
大きな勝負事の成功と失敗の境はホントに紙一重だと思いますが、最後は精神的な強さが関係してきます。実際に身になっているということもありますが、きつい経験を経てくると「あれを乗り越えてきたんだから」と自分を勇気づけることができるからです。
他にも、わかりやすい経済や政治のレポートを掲載しています。ぜひこれらの武器を持って社会に出て戦ってください。
社会では経験がモノを言う 先輩からのマル秘アドバイス
本誌に登場した社会人の先輩に、学生に伝えたいことを聞いた。モチベーションアップにつながるアドバイスばかりだ。
株式会社サイバーエージェント代表取締役社長 藤田晋
「逆境に強いハートは挫折から」
若い頃、自分は挫折なんてしないと思っていました。しかし、成長に伴って多くの挫折を経験しました。無いに越したことはありませんが、痛い目にあったら、ハートを鍛えるチャンスだと思うようにしています。大起業家に必要なのは、ハートの熱さよりもハートの強さ。「勝負時でない時に勝負に出ない」ことを心掛けて、「ここだ!」と思う時に勝負に出る。チャンスは来るので焦る必要はありません。
株式会社テイク アンド ギヴ・ニーズ代表取締役会長 野尻佳孝
「常にメンタルにスイッチを入れておく」
トップダウン経営から社員に仕事を任せる経営に切り替えた際、リーマンショックも重なって予想以上に業績が大幅に落ち込みました。元のトップダウン経営に戻せば業績は回復するかもしれませんが、それでは社員からの信用を無くしてしまう。あの時、毎日葛藤しながらも揺らがずに決意を貫いたからこそ「今」があります。何があっても動じないよう、常にメンタルにスイッチを入れておく。僕はそれを心掛けています。
特別鼎談 俺たちは、こうしてどん底から這い上がった サイバーエージェント代表取締役社長 藤田晋 × テイク アンド ギヴ・ニーズ代表取締役会長 野尻佳孝×「政経電論」編集長 佐藤尊徳
「全生庵」第七世住職 平井正修
「何事も思い通りになることなどない」
社会では、自分の思い通りになることなどないんだ、ということをまず知ってほしい。人生には人間関係や仕事の壁など、立ち向わなければならないことが多くあります。思惑通りになるはずがないと気付いたときに、やっと一歩踏み出すことができる。ですから、あれこれ考えず自分のできること、やるべきことを成してください。コピー一枚、小さな作業一つでも、目の前のことに誠を尽くすことが大切なのです。
第3回:坐禅を組んで、己を知ろう
株式会社ヒト・コミュニケーションズ代表取締役 安井豊明
「虫の目、鳥の目、魚の目」
これから社会に出る人は、3つの視点「虫の目、鳥の目、魚の目」を持ってほしいと思います。虫の目とは、目の前の仕事に集中すること。鳥の目とは、社内での自分の位置づけや、他にやるべきことがないかを知るために俯瞰で全体を見渡すこと。魚の目とは、世の中の流れや会社の向かう方向性などを把握することです。3つの目を持つことが、ビジネスマンとして成功する鍵となるでしょう。
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