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[資生堂]自分の細胞で生やす 毛髪再生医療研究 研究者を直撃

電子雑誌「政経電論」第4号掲載
2014年05月12日
読了時間: 02分47秒

2013年5月、「資生堂」が、カナダのバイオベンチャー企業「レプリセル社」の「毛髪再生医療技術」を導入するというニュースが話題となった。日本を代表する企業が、今注目の"再生医療"で人類の永遠の悩みともいえる「脱毛症・薄毛」に取り組むとあって大きな期待を集めている。

◇毛髪再生技術とは
個人の毛髪細胞を採取し、培養を行い、それを再び頭皮に戻す技術。これまでの脱毛症・薄毛治療では難しかった女性への効果を可能にすることや、高い安全性で注目を集めている。

話題の再生医療で脱毛や薄毛の悩みに挑む

 注目を集めるこの研究の現状や、実用化した暁にはどんな社会が待っているのか? 「資生堂」の新領域研究センター 再生医療プロジェクト室長・岸本治郎氏にうかがった。

「レプリセル社はカナダのバイオベンチャー企業であり、著名な2名の研究者がファウンダーとして在籍しています。今注目を集めているのが10年以上の基礎研究や臨床研究を経て、安全性が立証された世界最先端の毛髪再生・特許技術です。『自家細胞移植技術』というもので、再生医療の領域になります。脱毛症や薄毛に悩む患者の頭皮から採取した細胞を培養し、脱毛部位に注入します。脱毛部位の毛包を再活性化させることで、健康な毛髪の成長を促すのです」

資生堂 岸本治郎氏資生堂 新領域研究センター 再生医療プロジェクト室長・農学博士 岸本治郎氏

 そもそも、私たちの髪の毛は成長した後、自然に抜け、再び同じ毛穴から新しい毛髪が生えてくる「毛周期(ヘアサイクル)」を繰り返している。このサイクルは、成長期(初期・後期)、退行期、休止期に分かれている。通常、この期間を経て元気な毛髪が生えるが、薄毛や脱毛に悩む人はこのサイクルに異常が生じている状態なのだ。

 現在、日本でメジャーな増毛・育毛方法は主に2つある。一つは、CMでもお馴染みのAGA(Androgenetic Alopecia)。「男性型脱毛症」を意味するもので、プロペシアという飲み薬を持って対処する。こちらはホルモンに作用するもので、病院でのみ処方されるものだ。もう一つは頭皮に直接塗布する発毛剤である。こちらは有効成分のはたらきで発毛を促す。いずれも、男性型脱毛症に特化した製品であり、女性は利用できなかったり、高濃度のものは使用が制限されたりしていた。
 この療法において、特筆すべきは女性でも利用できること。現代の女性はストレスや不規則な生活から薄毛で悩む人も多い。「実は薄毛外来の患者は女性の方が多い」という声もあるほどなのだ。


女性にも施術可能な画期的な技術

毛髪再生医療が実現したら、利用しますか?

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