4年に一度、全国で一斉に首長選挙や議会選挙が行われる統一地方選挙。特に注目度の高い知事や政令指定都市の市長などを選ぶ前半戦は、4月7日(日)に投開票される。見どころは、現職の大阪府知事と大阪市長が入れ替わって立候補し、維新と反維新の一騎打ちとなる“大阪ダブル選”。そして福岡など4県の“保守分裂選挙”で繰り広げられる自民党内の対立だ。
戦後に始まった統一地方選挙、現在の「統一率」は27%
統一地方選は戦後の日本国憲法施行を前に全国で一斉に地方選が行われたがきっかけで、事務コストを圧縮したり、選挙への関心を高めたりするために全国で一斉に地方選を行うもの。日程は前後半に分かれ、前半戦は都道府県知事選と政令指定都市の市長選、そしてそれぞれの議会選挙が、後半戦は政令指定都市以外の市や町村の首長及び議会選挙が行われる。
例年は前半戦が第2日曜日、後半戦が第4日曜日を投開票日としているが、今年は今上天皇の退位と新天皇の即位に配慮し、1週間ずつ早い日程となった。
ちなみに“統一”と名が付いているものの、全国の自治体の首長・議会選のうち、統一地方選で行われる選挙の割合、いわゆる「統一率」は27%ほど。首長の任期途中での辞任や議会の解散、市町村合併などによって選挙日程がずれる自治体は増加の一方となっている。
知事と市長、片方でも欠ければ「大阪都構想」はとん挫
今年の統一地方選で実施される選挙は11道県の知事選、41の道府県議選、6政令指定都市の市長選、17政令指定都市の市議選などとなっている。
11の知事選が行われる前半戦の最大の注目は大阪ダブル選だろう。「大阪都構想」の実現を目指して大阪維新の会の松井一郎前大阪府知事が市長選に、吉村洋文前大阪市長が知事選に出馬するという異例の展開。対する自民党は知事選に元副知事の小西禎一氏、市長選に元自民党市議の柳本顕氏を擁立し、公明党や立憲民主党、共産党など維新以外の政党がこぞって応援するという“維新vs反維新”の一騎打ちとなった。
中盤戦におけるマスコミ各社の世論調査ではいずれも維新の候補がリードという情勢が伝えられているが、各政党が組織をフル回転して追い上げを図っているという。知事と市長のどちらか片方でも欠ければ都構想はとん挫するだけに、選挙結果の行方には全国から注目が集まっている。
野党不在? 自民党内で争う“骨肉の争い”
もう一つの注目は、自民党内で対立する4つの保守分裂選挙だ。福岡県知事選では4年前に自民党などの後押しで初当選した現職の小川洋氏に対し、地元選出の麻生太郎副総理兼財務相らが対抗馬として厚生労働省出身の武内和久氏を擁立。麻生氏と距離のある地元選出議員らが現職の応援に回り、“骨肉の争い”の様相を呈している。
また、竹下登元首相らを輩出し、保守王国として知られる島根県では自民党の国会議員や県議らが2人の元総務官僚を担いで保守分裂選挙に。福井県では5選を目指す現職に対し、自民党が対抗馬として前副知事を擁立。自民党の県議団が割れる事態となっている。徳島でも自民推薦で5選を目指す現職と、元自民県議の対決構図だ。
保守分裂選挙ばかりが注目されるが、与野党の一騎打ちは北海道知事選のみ。全体的に野党の存在感は薄い。議会選挙でどれだけ勢力を伸ばせるかがカギとなるが、一部の地域では野党第一党の立憲民主党と第二党の国民民主党がつぶし合いをしている選挙区もある。
選挙イヤーといわれる今年は夏に参院選を控える。選挙区の広い参院選では各地域の地方議員がどれだけ有権者を囲い込めるかが勝敗を握るだけに、道府県議選や市町村議選の結果は参院選の結果を占うことになりそうだ。
与野党の対決でないというところが寂しい
地方選挙は、国政にも大きく影響する。それは、
記事にあるとおり一番の注目は大阪や福岡首長選だが、
それもそうだが、
それでも、なるべく多くの人が投票所に足を運ぶことを願う。