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維新分裂騒動 陰で糸ひく新・壊し屋

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維新の党の分裂騒動が泥沼の法廷闘争に突入した。党員名簿や資金をめぐって松野頼久代表をはじめとする「残留組」と、橋下徹大阪市長に近い「大阪系」の対立が激化。党の通帳を引き渡さないとして残留組が大阪系議員を告訴したほか、党員名簿の引き渡しを求めて民事訴訟まで起こした。たった1年前に笑顔で結婚式を挙げた夫婦が、なぜこんなに熾烈な離婚騒動を繰り広げているのか。その陰にいる男とは――。

円満離婚のはずが突如、法廷闘争へ

山形市長選の応援問題を契機に、維新が再び分裂することになったというのは第12号でリポートした通り。当初は話し合いによって円満離婚が成立し、財産分与も行われるはずだった。

ところが、突然夫が怒りだし、妻を家から追い出した。おまけに財産は1円も渡さないというから妻の方も激怒。互いをののしり合い、泥沼の離婚裁判が始まった、というのが維新の党の現状である。

「松野代表も当初は円満な分党を認める方向だった。ところが江田憲司前代表が『譲歩する必要はない』と指示し、大阪系議員を除名することになった」と話すのは維新関係者。

実際に松野は大阪系新党に参加する片山虎之助参院議員と分党について協議していたが、2015年10月14日に突如打ち切り、大阪系議員の中核である片山と馬場伸幸、東徹の3人を除名。さらに翌15日には新党に加わる見通しの国会議員と地方議員の計162人を一斉に除名処分とした。

かつて日本維新の会が分裂した時は”分党”手続きをとり、議員数に応じて党の資金も配分された。ところが今回は、新党結成を目指す大阪系議員を政党の処分として最も重い除名とし、資金は残留組が独占するという。大阪側にとってのめる話ではない。

逆襲に出た大阪系が目を付けたのが、松野代表の”任期”である。大阪都構想をめぐる5月の住民投票が否決となり、責任をとって辞任した江田から代表の座を継いだ松野。江田の任期は9月までだったから、すでに松野をはじめとする執行部の任期は切れており、除名処分の権限も持っていないと大阪側は主張した。

大阪系の国会議員や地方議員らはすかさず10月24日に集結し、松野らが不在のなかで独自の「臨時党大会」を開催。新代表に馬場を選出し、維新の党は解散して「党の資金は国庫に返納する」と全会一致で決めた。1つの党に2つの執行部が存在する異例の事態である。

みんなを解散に追い込んだ江田憲司

ここまで話がこじれる決め手となったのは、松野執行部による大阪系議員の除名処分だ。表だって名前は出なかったものの、裏で糸を引いていたのは江田前代表にほかならない。かつて幹事長を務めたみんなの党に続き、維新をも破滅に追い込もうとする江田のことを、永田町では小沢一郎になぞらえて「新たな政界の壊し屋が現れた」(政治記者)と揶揄する声もある。

1956年生まれの江田は東大法学部を卒業後、1979年に通商産業省(現経済産業省)に入省。村山富市政権で橋本龍太郎通産相の事務秘書官となったのを機に頭角を現し、橋本が首相になると主席秘書官に抜擢された。橋本の退陣とともに退官、政治家に転身した。

最初の選挙は自民党公認だったが、2002年の初当選以降は一貫して無所属。誰とも群れず、メディアで与野党を批判する一匹オオカミとして知られていた。

2009年に自民党を飛び出した渡辺喜美とみんなの党を作ったが、結党当初から仲の悪さは有名だった。渡辺と江田の路線対立が次第に明確になってくると、党内では渡辺を批判する怪文書が飛び交った。最終的に江田は十数人の議員を引き連れて離党し、結いの党を結成。その後、渡辺の金銭問題が週刊誌で暴露され、渡辺は代表を辞任。みんなの党は解散に追い込まれることとなる。

一見スマートで、柔和な印象のある江田だが、強情な合理主義者の一面も持つ。「いったん敵と決めたらとことん攻撃する。最近はその傾向がさらに強くなった」というのは江田のことをよく知る永田町関係者。集団的自衛権問題への対応や政界再編をめぐる方向性の違いが浮き彫りになるなか、一度は仲間と決めた橋下や大阪系議員が次第に敵になっていったようだ。

江田が次に狙う標的は民主

江田にとって次の標的は民主党である。江田の指示の下、松野は民主党の岡田克也代表とたびたび会談。2016年夏の参院選を見据え、新党結成や選挙協力について協議を重ねている。維新内には民主党の労組系議員を毛嫌いする議員も多いため、民主党を解散させ、保守系議員とともに新党を結成するというのが江田の真の狙いである。

共産党の接近もあって、当の民主党も揺れている。政権担当時に外相を務めた松本剛明が離党届を提出。「解党して新たに出直すべきだ」と執行部に公然と求める若手議員も出始めた。

結党から17年を経過した民主党。かつての壊し屋・小沢の離反はなんとか乗り越えたが、新たな壊し屋によって終焉を迎えるのか。永田町では江田の行動に、さらに注目が集まりそうだ。

烏合の衆の野党では国民が不幸だ

 

与党が大勝した選挙でも、厳しい戦いを勝ち抜いてきた人が野党を形成しているから、自分たちがどれだけ国民から不甲斐なく映っているかまったくわからないんだろうなぁ。烏合の衆とはこのことだ。

アイデンティティを掲げ、変わらぬ理念の下に集まった集団というわけでないから、このように分裂を繰り返す。これでは国民の理解はまったく得られない。”昔の名前で出ています”という人が執行部を形成している民主党を筆頭に、こんなんじゃどうやっても与党には対抗できないな。

維新の党も、橋下氏の人気だけで成り立っていた党だから、非大阪系は解党して新たな党作るべきだと思うのだが。それに橋下氏も言ったことがすぐに変わるから信用できない。加えて、大阪という地域政党に国政は任せられない。与党の政策が素晴らしいとは思わないけど、こんな野党に政権を任せようと大多数が思うとは考えられない。

選択肢がない国民は不幸だ。イギリスのように、野党に政党助成金を厚く分配するなど、次の政権政党を作る仕組みを日本も採用するべきだと思う。