尊徳編集長の俺にも言わせろ!!

内閣人事局はモノ言う優秀な人間を昇格させろ

2018.04.12

政治

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野党が頼りないなか、経済政策で政権基盤を盤石にしてきた安倍首相。念願の憲法改正へ向けて順風満帆だったはずが、森友学園への国有地売却の問題で、財務省が決裁文書を改ざんしたことが明らかになった。続いて防衛省による陸上自衛隊の日報隠ぺい疑惑や、加計学園に関する首相秘書官の面会記録の存在など、文書に関する問題が次々と発覚。財務省解体論が現実味を帯びるほどの大問題に発展し、政権の維持さえ危うい状況に。財務省が文書改ざんした背景には、内閣人事局の運用に問題があったと僕は考える。

安倍政権を強襲した朝日新聞のスクープ

森友学園問題で、財務省は決裁文書の改ざんというとんでもないことをやらかした。元官僚によると、そもそも財務省に限らず、省庁ではメモも含めてすべての文書を保存しているという。役所仕事とはそういうものらしい。必要か不必要かではなく、文書は残すものとされているから残すのだろう。その保存されている文書を書き換えるなど、ありえない話だとその元官僚は言っていた。

決裁文書は立派な公文書で、書き換えればもちろん犯罪になる。“キング・オブ・霞が関”と呼ばれる財務省のスーパーエリートたちが、そんな大きなリスクを冒してまで文書改ざんをしたという話にはびっくりだ。

政局として見たとき、森友問題は、籠池(泰典)氏の逮捕で落ち着きを見せていた。だからこそ、前回の総選挙で与党は3分の2以上の議席を確保する勝利を得られたのだと思う。もちろん、野党のドタバタ茶番劇によるバックアップはあったが……。

そんなこんなで落ち着いていた森友問題に新たな進展があったのは、3月2日発行の朝日新聞によるスクープだ。1面トップで「森友文書 書き換えの疑い」と報じた。

その後の顛末を詳しくは書かないが、森友学園問題が発覚した2017年当時、理財局長として国会答弁 に立ち「交渉記録は破棄した」「文書は無い」と言い放っていた佐川宣寿国税庁長官が、自分の答弁で国会審議の混乱を招いたと引責辞任 。それを受けた麻生財務大臣は、「佐川の責任」とばかりに問題を佐川氏に押しつけようとしているようにも見えた。

そんな愚かな指示を出すわけがない

もし、安倍首相の意向を受けた形で、財務省が森友学園に国有地を破格の安値で売却していたのなら、これはもう立派な疑獄事件で、辞任どころの騒ぎではなく、安倍首相は司法の追及を受けることになる。しかし、安倍首相の考え方や性格からして、自分、あるいは昭恵夫人の知り合いだからといって優遇するとは思えない。そこは一貫して信じている。

一方、グレーな部分を白く見せるために、安倍首相の周辺が今回の文書改ざんを指示していたとしたら、これも即アウト。内閣総辞職では済まされない話じゃないのかな。

だから、自身の政治生命を考えたら、そんな愚かな指示を安倍首相とその周辺が出すとも思えない。では、なぜ、今回の文書改ざんは起きたのか?

ポイントとなるのは、佐川氏だ。彼の国会答弁に合わせる形で決裁文書は書き換えられたといわれている。では、なぜ、佐川氏は文書を書き換えなければならなくなるような答弁をしたのか? そしてなぜ、財務省はそんな答弁に合わせて公文書の改ざんというリスクを背負わなければいけなくなったのか?

忖度マシーンを生んだ内閣人事局の人事

ここで注目したいのが「内閣人事局」の存在だ。2014年に設置された内閣官房の組織なんだけど、中央省庁の幹部の人事権を省庁から取り上げて、内閣、つまり官邸に置いた。これで、出世を願うエリート官僚たちが、みんな官邸の顔色をうかがうようになった。

官邸の強いリーダーシップの下に、政治主導の中央省庁改革が断行できるなら大歓迎な制度だが、官僚が官邸を恐れて何も言えなくなったように思う。その制度自体は悪いものとは思わないけど、運用の仕方が間違っているのではないか。

佐川氏も、森友問題に関する国会答弁で「虚偽答弁だ!」と批判されるなか、国税庁長官に昇進した。びっくりしたよね。あんな人事を見せつけられたら“論功行賞”にしか映らない。

組織のガバナンスを効かしていくのは、公平な人事を行うことが大きな部分を占める。官邸の意向に沿わない人は飛ばされ、そうでない人が出世していった、というように役人には映ったんだろう。

それに安倍首相も麻生財務相も、あのびっくり人事に「適材適所」と繰り返すだけで、ちゃんとした説明をしない。佐川氏が有能な人材だから、財務省ナンバー2ポストといわれる国税庁長官になれたとのだとしても、あのタイミングであの人事は、周囲に「ご褒美だ」と思われても仕方がない。

だから、官僚は出世のために官邸の意向を忖度するマシーンに成り下がったんだろう。そうやって“総理の意向”を忖度して加計学園に獣医学部の新設を認め、総理大臣の知り合いだからと官邸の意向を忖度して、森友学園に国有地をあんな値段で払い下げたんじゃないのと思われても仕方がない。

第1次安倍政権ができたときに、自分に近い人間で主要なポストを固めて“お友達内閣”と揶揄され、体調不良で退陣することになった。そのときの経験から、2回目の政権運営には党内のバランスを取りながら挑んでいたから、安倍政権は成果を上げることができたのだと思う。

ところが、政権が長くなると、また元の状態に戻り始めた。例えば、稲田朋美氏が防衛大臣に就いていたときに起きた南スーダンPKO日報隠ぺい問題でも、何を置いても彼女を守る安倍首相の姿を見ていて、違和感を覚えたのは僕だけじゃないだろう。これでは、自分に近い人は守られて、そうじゃない人は冷遇する、と思われても仕方ない。人間だから、好き嫌いは誰でもあるけど、組織の回し方はそれが強烈に出てはいけない。

公平な人事と説明責任の徹底で解体的出直しを

権力の集中を僕は否定しない。民主主義はその運用の仕方と、期限付きということが肝心だと思っている。長くなってくると権力は腐るからね。中国やロシアじゃないんだから、徹底した情報公開と公平性が無いと歪んでくる。

今の政権は読売新聞にべったりで、何かあれば朝日新聞を叩く。そりゃあ、官僚も国会議員も朝日新聞の記者も人間だから、「いつか見てろよ!」となるのが自然でしょう。朝日新聞は、従軍慰安婦問題や、サンゴのねつ造など、問題も多くて好きじゃないけど、今回はよくやった。おそらく大阪地検のリークだろうが、葬り去られるところだったかもしれないので。今回の文書改ざんだけでなく、加計問題をすっぱ抜いたのも朝日新聞だった。

安倍首相のことは好きだし尊敬する人でもあるけど、今回の文書改ざん問題で、人事での身びいきがなかったか、公平であったかをよく考え直してもらいたいと思う。実力主義を徹底して、モノ言う人も登用して、官僚も納得できる人事を進めてほしい。

それと、人事の公平さとともに徹底してほしいのが、説明責任。モリカケ問題でも、逆に与党から徹底的に指示をして、文書を公開していればここまで大きな問題にはならなっただろう。そうしないから、今回のように隠ぺいしていたのではないかと疑われる。やましいところが無いなら、堂々とその旨を国民に向かって説明しないといけない。

徹底的に膿を出し切って真摯にならないと、超長期政権になる安倍首相の総裁選3選など実現しない。