都知事選は自公支援の現職・小池百合子氏有利 山本太郎氏ら旋風巻き起こせるか【7月5日投開票】

2020.06.18

政治

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東京都知事選が6月18日に告示され、14日間の選挙戦が始まった。新型コロナウイルスへの対応や、来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催の是非などが最大の争点。自民、公明両党などが実質支援する現職の小池百合子氏が軸となるが、知名度の高いれいわ新撰組の山本太郎氏ら野党系候補がどこまで票を伸ばすかで、今後の野党再編の流れが変わる可能性もある。

投開票は7月5日。

過去最多の22人が立候補

都知事選には現職の小池氏のほか、いずれも新人で日本弁護士連合会(日弁連)の元会長、宇都宮健児氏、熊本県元副知事の小野泰輔氏、NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏、れいわ新撰組代表の山本太郎氏ら、過去最多の22人が立候補を届け出た。

東京都知事選挙2020

投開票:7月5日(日) 7:00~20:00/期日前投票:6月19日(金)~7月4日(土)

<候補者>※届け出順

  • [新人]山本太郎氏(45) れいわ新選組代表 @yamamototaro0
  • [現職]小池百合子氏(67) 無所属 @ecoyuri
  • [新人]七海ひろこ氏(35) 幸福実現党広報本部長 兼 財務局長 @hiroko_nanami
  • [新人]宇都宮健児氏(73) 無所属/日弁連元会長、立憲・共産・社民が支援 @utsunomiyakenji
  • [新人]桜井誠氏(48) 日本第一党党首 @nippondaiichi
  • [新人]込山洋氏(46) 無所属/スマイル党代表マック赤坂氏の秘書、介護士 @komiyama0509
  • [新人]小野泰輔氏(46) 無所属/熊本県元副知事/維新が推薦 @taisukeono
  • [新人]竹本秀之氏(64) 無所属/元朝日新聞社員 @SleepyBuddaReal
  • [新人]西本誠氏(33) ラッパー @makoto__9999
  • [新人]関口安弘氏(68) 無所属/建物管理会社経営
  • [新人]押越清悦氏(61) 無所属/NPO法人代表 @1IwhxAo6opP6qZo
  • [新人]服部修氏(46) NHKから国民を守る党/ドラマー @Nijiiro_Ongaku
  • [新人]立花孝志氏(52) NHKから国民を守る党党首 @tachibanat
  • [新人]齊藤健一郎氏(39) ホリエモン新党/堀江貴文氏の秘書 兼 運転手、N国が推薦 @aqua_saito
  • [新人]後藤輝樹氏(37) @gototeruki
  • [新人]澤紫臣氏(44) 無所属/作家 @sawasion2020
  • [新人]市川浩司氏(58) 庶民と動物の会 @DNPSO1mT1H02zSj
  • [新人]石井均氏(55) 無所属/フリージャーナリスト
  • [新人]長澤育弘氏(34) 無所属/薬剤師
  • [新人]牛尾和恵氏(33) 無所属/元会社員
  • [新人]平塚正幸氏(38) 国民主権党党首/社会活動家 @sayuflatmound2
  • [新人]内藤久遠氏(63) 無所属/元陸上自衛官 @NaitoHisao

国政与党の自民、公明両党は自主投票だが、実質的には小池氏を支援する方針。野党第一党の立憲民主党と共産党、社民党は宇都宮氏を支援、日本維新の会は小野氏を推薦する。

前回2016年の都知事選で小池氏に対立候補を出して敗れた自民党では、今回も対立候補を出すべきだという「主戦論」と小池氏を支持すべきだという「非戦論」が入り混じっていた。しかし、小池氏はいち早く公明党を抱き込み、自民党内でも影響力の大きい二階俊博幹事長にもたびたび接触。与党内でも「小池やむなし」の声が広がりつつあるなか、新型コロナウイルス感染拡大の騒動で「選挙どころでない」との空気が一気に広がった。

その間、東京選出の丸川珠代参院議員やスポーツ庁の鈴木大地長官、著名な文化人などの名前も取り沙汰されたが、いずれも勝てる見込みが薄いからか、固辞したとされる。過去の地方選で痛い目にあった自民党東京都連の地方議員の多くは最後まで反対の姿勢を見せたが、結局は二階幹事長が“小池支持”で押し切った。ちなみに、小池知事と二階幹事長はともにかつて小沢一郎氏が率いた自由党時代の同僚だ。

野党勢力はバラバラ状態

野党はその間、どう動いたか。

前回の都知事選では当時、野党の中心だった民進党や共産党、社民党、生活の党などが統一候補としてジャーナリストの鳥越俊太郎氏を擁立。しかし、政党の支持を得ずに立候補した小池氏が空気をつかんで圧勝し、自民党が擁立して次点となった増田寛也元総務相にも40万以上の票差をつけられ完敗した。

今回も立憲民主、国民民主、共産、社民の4党で統一候補を模索する動きがあったが、自民党と同様に“勝てる候補”探しが難航。結局、2014年の都知事選に立候補して舛添要一に次いで次点となった宇都宮氏が自ら立候補を表明し、立憲民主党や共産党などが支援することとなった。

しかし、立憲民主と同様に民主党を源流に持つ国民民主党は自主投票を表明。さらにはれいわ新選組の山本氏が土壇場で立候補を表明し、野党勢力はバラバラ状態となった。立憲民主党の須藤元気参院議員は17日、党が支援する宇都宮氏ではなく、れいわ新撰組の山本氏を応援するとして離党届を提出。野党内のちぐはぐぶりが浮き彫りとなっている。

台風の目になるとしたらネットに強い山本太郎氏

足並みの揃わない野党系候補の中で、台風の目となりそうなのが須藤氏も応援する山本氏だ。俳優出身の山本氏は反原発運動をきっかけに政治運動にかかわるようになり、2013年の参院選で東京都選挙区から無所属で立候補して初当選。2014年に小沢一郎氏率いる生活の党に入り、2019年の参院選に向けて生活の党を離れて政治団体「れいわ新撰組」を立ち上げた。

[諸派]れいわ新撰組 山本太郎氏

「れいわ新選組」がネットで注目 新聞が取り上げない「諸派」って何?

2019.07.12

2019年の参院選では当初、大手メディアが軒並み「当選ゼロ」と予想してあまり取り上げなかったが、消費税廃止などの政策や俳優出身ならではの弁舌の巧みさ、SNSを活用した選挙運動で注目度が急上昇。比例代表の特定枠に重度の身体障がい者を選んだことなども注目され、特定枠の2名は当選。比例の得票率は2%を超え、ゼロからの結成からたった3カ月で政党として扱われることとなった。

当時、インターネット上ではれいわや山本氏関連のツイートがあふれ、「れいわフィーバー」などと称された。今回の都知事選では新型コロナウイルス対策として「全都民に10万円を給付」や「東京オリンピック・パラリンピックの中止」などを公約に掲げているが、SNSを活用してこうした政策をどのように展開していくかが注目だ。

野党系候補としてもう一人注目なのは、日本維新の会が推薦する小野氏だ。新型コロナウイルス対応をめぐって大阪府の吉村洋文知事が注目され、国政政党である日本維新の会の支持率も上昇傾向にある。小野氏自身の知名度は低いが、吉村知事らのフォローによってどこまで票が伸びるか。

ほか、れいわ新撰組と同様に前回参院選で政党要件を満たしたNHKから国民を守る党の立花氏も再び注目を取り戻そうと発信力を強めている。

都知事選は現職負けなしだが…

国政では“安倍一強”にほころびが見え始め、ポスト安倍をめぐる有力者たちの動きもきな臭さを増している。一方で、立憲民主党国民民主党をはじめとする主要野党は政府の足を引っ張ろうとするばかりで一向に支持率が伸びず、内閣不支持層の行き場が無い状態が続いている。

新型コロナウイルスの影響ですぐに衆院を解散する状況にはないが、4年の任期の折り返し地点はすでに超えている。現職有利の都知事選ではあるが、宇都宮氏や山本氏、小野氏らがどこまで票を伸ばすか、または旋風を巻き起こすかで、今後の国政の勢力図も変わってくる可能性がある。