健康状態と企業の生産性は比例する? RIZAP健康経営メソッド

2018.10.31

社会

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人生100年時代の働き方のカギとなる「健康経営」。従業員の健康を経営的に考え、実践する企業が増える一方、経営者からは「結果が出ない」「効果的な健康経営の戦略が分からない」といった声も聞かれる。パーソナルジムで培ったメソッドを基に、RIZAPでは「法人向けRIZAP健康セミナー」を提供。3ヶ月間のプログラムで、社員のカラダや生産性やパフォーマンスにどのような変化が起きるのか。株式会社ビズリーチの実践例から、「RIZAP健康経営メソッド」の可能性を探る。

先進企業は始めている!積極的な「健康経営」

企業の経営戦略を語るとき、今は「健康経営」がキーワードの一つとなっている。肥満、生活習慣病、メンタルヘルスの不調などから従業員の健康や仕事へのモチベーションが損なわれ、仕事のパフォーマンスが低下してしまう。

経済産業省の『企業の「健康経営」ガイドブック』(改訂第1版 平成28年4月)にも次のように明記されている。

増加し続ける国民医療費は、健康保険組合等の財政悪化を招き、結果として健康保険料の上昇という形で企業負担の増加につながっている。また、「従業員の健康状態の悪化は企業の生産性を低下させることになり、さらには、人材の定着率の悪化等、有能な人材の確保にも悪影響を及ぼす可能性がある。

逆にいえば、従業員の健康維持・増進が企業の安定経営や成長に大きく寄与するということだ。とはいえ、企業としては生産性向上に直結するソフト(スキル習得の支援や研修など)には投資しやすいが、結果が見えにくいハード(従業員の健康)へは投資がしにくい傾向にある。

RIZAP株式会社ヘルスケア事業推進ユニット、ユニット長の松崎主税氏は言う。

「Future of Work Japan 2018」登壇時の松崎氏

「RIZAPでは、パーソナルジムで培ったノウハウを生かして“1対集団”のトレーニングができないかと考え、これまで『法人向けセミナー』や『自治体向けプログラム』を推進してきました。今回は、企業が抱える健康経営の問題に対して『健康経営メソッド』を打ち出し、出張型のグループトレーニングを実施いたしました。株式会社ビズリーチさんの実践例を基に、健康と生産性の関係性を紹介していきます」(以下、「」は松崎氏の発言)

ボディメイクではなく“健康的なカラダ作り”の習慣化

ビズリーチは転職サイト「ビズリーチ」などを提供するインターネットサービス会社。社員数は1291名(2018年9月時点)。ビジネス開発部門のなかには、電話・メール・チャットなどでインサイドセールスを行う内勤社員がいる。

今回プログラムの対象としたのは、内勤が中心の社員名。一般的に内勤はデスクワークが中心で、運動不足による、生活習慣病や肥満など健康への影響を受けやすい。彼らの健康を支援することで、組織としてのパフォーマンスを引き出したいと考えていた。

そもそも、「RIZAP健康経営メソッド」とは。会員数12万人を超える健康指導のメソッドと、科学的根拠に基づいたトレーニング、そして栄養学に基づいた食事提案といった一連のRIZAPメソッドを企業向けに応用させたもの。期間中はトレーナーがオフィスへ出張し、講義やトレーニングを行う。これらのプログラムを「3M」の思考で進めていく。

3M

Management(マネジメント)

正しい方法でRIZAPメソッドを続けられるように科学的根拠に基づいた案内やフォローを行い、成功へと導く。

 

Mental Support(メンタル サポート)

提携企業が健康経営を完遂できるように常に寄り添い、社員が「限界」を越えられるようにメンタル面からサポートする。

 

Mind(マインド)

「社員の人生を変え、提携企業を変える」という意志を持ち、提携企業に何を提供できるかを常に考え、学び、行動する。

今回は、1グループ20名前後でこれを各5名ずつの小さなコミュニティーに分ける。コミュニティー内で互いに励ましあったり、管理しあって生活習慣を改善していく。

「体重減の目的意識を明確にし、“健康的に痩せた後のイメージ”を具体化することが成功の秘訣です。そして、本プログラムの最終目標は、ダイエットではなくヘルスケアです。“3ヶ月後に体重が何kg減っているか”よりも、“今後も健康的な生活を続けていける自信がつくこと”に重点をおいています。最初の1ヶ月は週1回の出張トレーニングがありますが、2ヶ月目以降は回数を減らし、自分たちでPDCAを回せるようにします」

プログラム導入による身体的な変化

3ヶ月間のプログラムの結果は、体重が平均マイナス1.5kg、最大マイナス8.8kg。今回は健康的な生活の継続に重点をおいているため、体重の増減に関しては平均値が低くなっている。しかし、血液データに関しては、参加者全員に脂質代謝の改善、尿酸値の改善、腎機能の改善が見られた。

特筆すべきは、sd LDL-C(超悪玉コレステロール)値が下がったことだ。sd LDL-Cは悪玉コレステロールのなかでも特に注意が必要な、超悪玉コレステロールといわれている。

粒子が小さく密度が大きいsd LDL-Cは、微細な毛細血管まで入り込み、動脈硬化を起こさせる。sd LDL-C値と、高血圧・高脂血症などの生活習慣病や、狭心症・心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクには相関関係があることが分かっている。

「sd LDL-C値は体重減を目的とした食事・運動どちらかだけでのプログラムでは改善できません。両方のサポートができる弊社の健康プログラムならではの効果と言えます」

良好な健康状態になることで得られる成果は?

今回の主題である健康と生産性の関係において、導入前(2~4月)と導入後(5~7月)では、1時間で得られる商談機会件数に変化がみられた。商談機会件数は107%増、そこから受注に至った件数は114%に。すなわち、インサイドセールス部が件数だけでなく、質の高い商談機会を創出し、獲得受注に大きく貢献したことが示唆される。つまり、健康状態はパフォーマンスアップに好影響をもたらしているといえる成果が出たのだ。(データを取得した8名に対する分析結果)

本プログラムを通じて、ビズリーチで最も体重が減少した社員は、自身の変化についてこんな感想を述べている。

「 “意思がすべての行動を変える”ことを改めて実感しました。 “人に言われてやる”のではなく“自分から望んでやる”ことが大事だと思います。減量につながっただけでなく体の調子も以前より良くなったことで、仕事のパフォーマンス向上にもつながりました」(ビズリーチ社員)

カラダが健康になると、心の健康や仕事のパフォーマンスにも良い効果が表れることが、ビズリーチの事例から分かってくる。

9月7日に行われたビズリーチ主催のEXPO「Future of Work Japan 2018」において、RIZAPとビズリーチの取り組み結果が発表された。
登壇者は、右からビズリーチの茂野明彦氏、RIZAPの松崎主税氏、大室産業医事務所産業医・大室正志氏の3名。

成果を生む“4つ”のポイント

ところで、RIZAPのグループトレーニングは、なぜ結果が出せるのか。

「体重が減らない、食事制限やハードな運動がつらいなど、ネガティブなイメージがあるとダイエットは続きにくいことが分かっています。つまり、ポジティブな気持ちを持てば続けやすくなります。それを可能にするフックが、RIZAPのグループトレーニングにはあります」

Point1:“自分のため”だから頑張れる

人にやらされているダイエットは続きにくい。「何のために生活改善をするのか」「痩せたら何がしたいか」など、ダイエットをする目的を具体的にイメージすることから、本プログラムはスタートする。

「ダイエットが成功するか挫折するかの分かれ目は、実はスタート前にあるのです。“医者に痩せろと言われたから”ではなく、“自分のために”取り組むことが大事です」

Point2:頑張りを認めてくれる仲間がいる

運動でも食事制限でも1人で始めると途中で挫折しやすい。本プログラムでは5名のコミュニティーを作り、SNSで“その日やった健康に良いこと”を報告し合う。仲間から「いいね!」が返ってくることで承認欲求が満たされ、やる気が湧いてくる。また、「みんなもやっているから、自分も頑張ろう」「負けていられない」という、競争心理も働く。

Point3:仲間同士で管理し合える

コミュニティーが機能しだすと、部署内でのコミュニケーションが活発化し、「〇〇がダイエットに良いらしいよ」などの情報交換が始まる。さらに、「今日のそのお弁当、炭水化物が多いんじゃない?」などのように、互いに食事内容を管理し合うようになる。

「ビズリーチの茂野氏によれば、プログラムを始めてから、“健康”が彼らの共通の話題となってコミュニケーションがより活性化しました。エンゲージメントの向上につながったことは、予想外の効果だと喜んでおられました」

Point4:社内で健康ブームが起きる可能性

プログラム参加者たちが健康になっていくことで、それを見ている非参加者にも健康意識が生まれやすくなる。“健康”をキーワードにして、「顔色がよくなったね」「少しスッキリした?」「カッコよくなったよ」などのコミュニケーションの輪が他部署へも広がり、社内全体で健康意識が高まれば理想だ。

企業が従業員の健康に投資する意味と必要性

最後に、企業が健康経営をすることの意義について、改めて考えておきたい。従業員の健康への投資はすぐに結果が出るものではなく、長いスパンで考えなくてはならない。しかし、YahooやDeNAなど積極的に健康経営を取り入れ、成果を出している好例も増えてきている。

「健康経営に注力している企業は株価が高い」という興味深いデータがある。

経済産業省と東京証券取引所が公表している「健康経営銘柄2017」の株価パフォーマンスを見てみると、健康経営銘柄に選定されている24社の平均騰落率は28.3%で、日経平均を1.9%、TOPIXを2.3%上回っている。

健康経営を考えているのは、経営者ばかりではない。従業員が自らの健康を意識し、企業に健康経営を求める風潮も生まれ始めている。

人生100年時代において、60歳定年はもはや現実的でない。現役時代が長くなっている分、「いかに健康で長く働くか」が働き方の大きなテーマになっているのだ。就職活動・転職活動をするビジネスマンの中には、企業側がどんな健康経営をしているかを質問してくるケースもあるそうだ。

「企業は従業員が健康になる“最初のきっかけ”を与えるべきでしょう。そこから何を学び、続けていくかは従業員一人一人の意志です」

自ら進んでジムに来る人とは違い、会社が行う健康系セミナーでは“やらされている感”が強く、モチベーションが続かない人も多い。だからこそ、RIZAPのような“諦めさせないプログラム”が大事になってくる。

「本プログラムは工場で働く作業員、SE、事務職員など、内勤向けに最適です。外勤は各々が外に出て行き、一ヶ所に集まることがないので、集団トレーニングがしにくい点が課題です。内勤とは抱えている病気のリスクも違います。今後は外勤向けのプログラムも開発していきたいですね」

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