【2021年国内政治10大ニュース】菅内閣から岸田内閣へ
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【2021年国内政治10大ニュース】菅内閣から岸田内閣へ

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2021年の国内政治は首相の交代や衆院総選挙、新型コロナウイルスとの戦いなど目まぐるしい動きを見せた。編集部では10大ニュースを取り上げ、改めて一年を振り返った。

[1]第100代内閣総理大臣に岸田文雄氏

自民党総裁選が9月29日に投開票され、「新自由主義からの転換」を掲げた岸田文雄元政調会長が河野太郎前行政改革担当相、高市早苗元総務相、野田聖子前幹事長代行らを破って当選。10月4日召集の臨時国会で第100代首相に就任し、岸田内閣を発足させた。党役員には福田達夫総務会長ら若手を抜擢し、閣僚にも当選回数の少ない若手を積極登用したが、政権発足直後の衆院選で小選挙区での当選を逃した甘利明幹事長が辞任。外相に起用した茂木敏充氏を横滑りさせるという多難な船出となった。

若手を積極登用の岸田内閣発足、政策推進力は未知数

2021.10.4

[2]菅首相が続投断念

自民党総裁としての任期満了を目前に控え、菅義偉首相が9月3日の党役員会で総裁選への不出馬を表明した。菅氏は直前まで続投に意欲を示していたが、党役員人事や衆院解散などをめぐる対応に批判が集中。直後に控える衆院選への悪影響を懸念する党内の声に押され、出馬断念に追い込まれた。首相としての在職日数は384日で、戦後の歴代首相34人の中で12番目の短命政権となった。

菅首相退陣へ、後手後手対応で総裁選出馬断念

2021.9.3

[3]東京オリ・パラ無観客で開催

2020年に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックが新型コロナウイルスの影響を受け、1年遅れで開催された。国内で「中止」や「再延期」を求める声が多いなか、菅政権がほぼ無観客での開催を“強行”した格好。ただ、過去最多となる27個の金メダルを獲得するなど日本選手の活躍には国内が大いに沸いた。

東京オリンピックが炙り出した大相撲が直面している問題

2021.8.20

[4]衆院選、与党が絶対安定多数確保

第49回衆院総選挙が10月31日に投開票され、自民、公明の与党が公示前より議席を減らしたものの、「絶対的安定多数」といわれる261議席を獲得した。事前調査では議席を大きく減らすとの見方もあったが、予想以上に健闘。一方で最大野党の立憲民主党が公示前勢力を大きく割り込み、日本維新の会が躍進して公明や共産党を抜いて第3党となった。

衆院選結果】与党勝利も大物敗北目立つ 維新躍進で国会運営は潤滑に

2021.11.1

[5]立憲民主党敗北で泉新体制へ

立憲民主党の創設者であり“顔”だった枝野幸男前代表が衆院選敗北の責任を取って辞任。後任を決める代表選が11月30日に行われ、逢坂誠二、小川淳也、西村智奈美各氏を破って47歳の泉健太氏が当選した。枝野氏ら旧民主党時代の幹部からの世代交代を印象づけるが、衆院選で共闘を組んだ共産党との関係性をどうするかなど課題は山積している。

立憲民主党新代表に泉健太氏(47) 衆院選の“左傾化”戻す?

2021.12.1

[6]コロナ長期化、緊急事態宣言連発

2020年春から続く新型コロナウイルスとの戦いが長期化し、政府は2021年1~3月と4~6月、7~9月と3回にわたって緊急事態宣言を発出。緊急事態に次ぐ「まん延防止等重点措置」を含めると、2021年のほとんどの期間で国民に“自粛生活”を強いることとなった。菅前首相はコロナ対策の「切り札」としてワクチン接種を進めたが、新たに「オミクロン株」が流行するなどコロナとの戦いは2022年も続く。

日本経済、コロナ禍からの復活の鍵は国内旅行回復と半導体の確保

2021.6.30

[7]バラマキ合戦で現役官僚も苦言

コロナ対策で国・地方の財政がますます悪化するなか、自民党の総裁選や衆院選では各候補や政党が財政再建を封印し、バラマキととられかねない大盤振る舞いの政策を競い合った。こうしたなか、国の財政を司る財務省の事務方トップ、事務次官が現役にもかかわらず実名で週刊誌に寄稿。「このままでは国家財政が破綻する」と異例の警鐘を鳴らした。

衆院選】財源無きバラマキ合戦を国民はどう見るべきか

2021.10.25

[8]温室効果ガスで新目標

欧米で「脱炭素」の流れが加速するなか、菅政権が4月、2030年度における温室効果ガスの削減目標を2013年度比で46%削減する新たな目標を発表した。従来目標は26%減だったが、米バイデン政権に背中を押される形で削減幅を大きく引き上げた。ただ、達成に向けた具体的な道筋は不明確で、実現の見通しは立っていない。

原発の大規模再稼働がなければ成立しない日本の危うい脱炭素エネルギー戦略

2021.9.6

[9]デジタル庁発足、菅内閣の成果

行政のデジタル化をけん引する組織として、9月1日に官民600人からなるデジタル庁が発足した。2020年9月に発足した菅政権の肝いりの一つで、検討開始から異例の速さで創設までこぎつけた。約1年で退陣した菅内閣ではデジタル庁発足のほか、携帯電話料金の引き下げや東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出などを決め、一定の評価も残した。

菅内閣の成績表~新型コロナ対応・デジタル庁・最低賃金引上げ

2021.9.13

[10]河井克之元法相に実刑判決

2019年7月の参院選広島選挙区で計100人に約2800万円を配ったとして、公職選挙法違反の罪に問われた河井克之元法相に、懲役3年の実刑判決が確定した。この事件では同選挙で候補者だった妻の案里氏も公選法違反の罪で懲役1年4カ月、執行猶予5年の判決が確定し、参院議員を失職していた。案里氏の失職に伴い行われた4月の参院広島選挙区の再選挙では与党候補が野党系候補に敗北。同時に行われた衆院北海道2区と参院長野選挙区の補選と合わせて「3選全敗」となり、菅首相退陣の引き金の一つとなった。

春の衆参3補選・再選 菅首相が乗り切るための最低条件は

2021.2.18