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できる営業の基礎文法<カリスマFP 江上治の人生に勝つ働き方>

電子雑誌「政経電論」第15号掲載
2016年03月10日
読了時間: 05分00秒

"できる営業"と"できない営業"の違いはなんでしょうか? サラリーマン時代、大手損保会社の営業職として、24歳の若さで営業成績トップに上り詰めた江上氏。そのノウハウを求めて江上氏を訪ねる営業マンは少なくありません。いかにして"できる営業マン"になったのか、その極意を聞きました。

自分ができないときは人を助ける

 私は、新卒で入った大手損保会社で、営業職として、入社数年でトップの成績を収めるようになりました。なぜそれができたかわかりますか? 当時はがむしゃらにやっていましたが、今振り返ると理由がよくわかります。今回は、そんな私の経験から営業のノウハウについて少しお伝えしたいと思います。

 新人の営業は、1年目でしっかり基礎を作る必要があります。私が入社2年目で営業成績トップを獲得できたのは、初めの3カ月で上司から知識や実務を教わり、1年かけて会議の資料や企画書作りを手伝いながらきちんと基礎を学んだからです。

 資料や企画書作りは時間と手間がかかるので、みんなが嫌がる仕事でしたが、私はむしろ率先して手伝っていました。知識もスキルもない新人の自分が会社に貢献できることは、上司の業務を手伝うことぐらい。そうして数をこなしていくうちに、自然と自分も仕事を覚えていくことができます。

 手伝った上司たちは営業に専念できるため、当然、業績が上がります。すると「あいつ頑張っているな」とかわいがってもらえるようになる。たくさん手伝った甲斐もあって、上司から20店近くの代理店を紹介してもらいました。「人脈」が生まれた瞬間です。紹介案件なので話はスムーズに進み、一気に新記録をたたき出して、24歳で支店1位の成績を収めたのです。

 今の時代は厳しいですから、初日から営業に行かせる会社もありますが、基礎を学ばずして結果は出せませんし、最初に失敗するとトラウマになるので、できないうちは一人で営業に行くことはなるべく避けるべきです。「せめて3カ月間は上司に同行させてください」とお願いしてみてもいいと思います。

何よりも先に相手が喜ぶことを考える

 良い成績を出せるようになった入社2年目の頃、大きな整備工場に飛び込み営業へ行ったことがありました。ここと契約したら大きいと考えた私は、その社長に会って間もなく、売上や車検台数を訪ねました。

 すると「いきなり来たお前に何でそんなことを言わなきゃならないんだ!」と、水をぶっかけられた。社長が言うには、私がやっていることは、「財布を見せろ」と言っているのと同じだと。ビショビショになりながら「なるほどな」と思ったことを覚えています。

 それから私は帰って上司に相談しました。すると「相手が喜ぶことをしろと言ったはず。どうすればいいか考えなさい」と。そうでした、調子に乗っていた私はそのことをすっかり忘れ、目先の利益に目がくらみ、自分が欲しい情報だけを聞こうとしていたのです。

 営業は、まず相手が何を求めているかを知ることが重要。欲しくない商品を売りつけられて喜ぶお客さんはいませんからね。だから、営業にとって必要なのは、まず相手の要望を聞き出す「聞く力」なんです。消費者利益を追求することが必須。場合によっては、商品を売らないほうがいいことだってあります。

 翌日、私は会社のタオルを100本持って、整備工場に車の窓拭きをしに行きました。普通、営業マンはそんなことはしませんが、一日中手伝いをした後、社長の奥様が「面白い子だね」と関心を持ってくれて、社長にも会わせてもらい、許しを請うことができました。実はその社長は地域をまとめている偉い方だったようで、ほかにお客さんを紹介してもらい、契約を取ることも叶いました。

 上司に報告すると、「そんなことまでしたのか!」と半ば驚かれつつ、タオルを持ち出しすぎたことでお叱りも受けましたが、お客さんのことを最優先に考えたのだから仕方ないですよね。ただ、その後社内では「江上に注意しろ」と警戒されるようになってしまいましたが(笑)。

営業の極意は、ビジネスマンの極意

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