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経済

無限地獄に陥ったアコーディア・ゴルフに明日はあるのか

電子雑誌「政経電論」第6号掲載
2014年09月10日
読了時間: 04分20秒

モノ言う株主「村上ファンド」出身の三浦氏率いる金融会社・レノ。ゴルフ場を運営するアコーディアのライバル企業であるPGMがアコーディアにTOBを仕掛けたときに、アコーディア株を買い占めてTOBを阻止。しかし、レノはアコーディアにとってホワイトナイト(友好的な株主)ではなかった。その後アコーディア経営陣が取った策は、ゴルフ場利用者と他の株主を軽視したとしか思えない。この会社に将来はあるのか?

"モノ言う株主"の出現で紛糾

 ゴルフ場運営のアコーディア・ゴルフが打ち出したアセットライト(資産圧縮)戦略の成否が大詰めを迎えている。ゴルフ場という資産をファンドに売却し、自らは運営に特化するこの戦略は、ゴルフ人口の減少を背景に客単価の下落に歯止めがかからないゴルフ場業界にとって、起死回生の切り札にも成り得るだけに業界内外の注目度も高い。

 ゴルフ場を取り巻く環境が厳しさを増すなか、一見、同施策は正当性を感じられるが、実際は、アコーディアの現経営陣が保身のために創出したウルトラCととっていいだろう。

 今回のアセットライト戦略を簡単に説明すると次の通り。まず、アコーディアが保有する国内133コースのうち90コースを、新たに設立したSPC(特別目的会社)に譲渡。そのSPCに対する出資持分すべてを事業ファンド化し、シンガポールで上場されるファンド(ビジネス・トラスト)に譲渡し売却益を得たうえで、アコーディアは、ゴルフ場の運営だけに専念するというものだ。
 一方、アコーディアは、ゴルフ場売却益と大和PIパートナーズから新たに借り入れる資金を元に有利子負債を圧縮、及び自己株式のTOBを行う。ゴルフ場を売却することでバランスシートを軽くし、経営の効率化を追求するというのが建前だ。

 しかし、アコーディアの本当の狙いは、ほかにある。それは過去にTOBを仕掛けられたライバル、PGMホールディングスの統合意欲を殺ぐことと、目の上のたんこぶである大株主の金融会社・レノグループを排除することにほかならない。

 ところが、ここへきてアコーディアの描くスキームが崩れ始めている。当初、この施策に賛同する姿勢を示していたレノだが、2014年5月の決算説明会で、レノ代表の三浦恵美氏が配当性向の見直し(90%から45%に引き下げ)に異を唱えたという。さらに、8月にはゴルフ場の追加売却と6人の社外役員解任を求め臨時株主総会の招集を請求した。

「アコーディアの自己株式のTOBは、レノの応募が前提となっています。しかし、このTOBの上限が30%と決められていることから、レノの全応募株式を買い取ることは不可能です。按分比例となれば、レノはアコーディアの株式を保有し続けなければならいない。配当性向を下げられたレノにしてみれば、売りそびれた株をもとに、将来に渡って、アコーディアを骨の髄までしゃぶることが、現状で課せられた命題でもあるのです。ゴルフ場の追加売却による多額の株主還元を迫ったのは、そんな背景があるのです」(業界関係者)

 アコーディアの鎌田隆介社長は8月12日に会見し、「ゴルフ場の売却速度を上げ、株主還元を増やす」と早くも白旗を上げた。レノに翻弄されている有様を見るにつけ、改めて経営陣の無能さを見て取ることができる。

損をするのはゴルフ場メンバー

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