尊徳編集長の俺にも言わせろ!!

日本が核兵器禁止条約に反対するなど言語道断!

2016.11.10

社会

1コメント

2016年10月27日、国連において、核兵器禁止条約など核兵器の法的措置を交渉する会議を開くとした決議が、123カ国の賛成を得て採択された。だが、その中に日本はいなかった。信じられない。唯一の被爆国である日本が、なぜ核兵器禁止に反対するんだ。ここは、絶対に賛成しなければならなかった。岸田外務大臣、あんた自分が何したかわかっているのか?

核兵器は非人道的ではない?

クラスター爆弾、生物・化学兵器、地雷は、非人道的な兵器として国際的にも使用が禁じられている。当然だろう。しかし、核兵器を使用制限する国際規約はいまだかつて存在しない。

それは、「核拡散防止条約」があるからだ。この条約は、アメリカ、ソ連(現ロシア)、イギリス、フランス、中国の5カ国以外は、核兵器の開発保有を禁止するというもの。1968年に調印されるのだが、その前年の1967年までに核保有国と認められた5カ国はその保有を認められ、それ以外の国は核兵器の保有はもちろん、開発もできない。

こんな不平等な条約があるだろうか? インド、パキスタンなど、条約が発効した後に核開発した国は、不平等条約だとして批准をしていない。そりゃそうだろう。

もう一度問う。核兵器は非人道的ではないのだろうか? 一瞬にして大量殺りく兵器になる核爆弾が非人道的でないとは笑止千万。どの国でもそうは謳っていないが、どんな屁理屈をこねても、人を殺傷する兵器は非人道的だ。

本当に核軍縮を目指すなら、「核拡散防止条約」などという不平等の権化のような条約を守る前に、保有国5カ国が核兵器を即時撤廃して、全世界で大量破壊兵器を絶滅させてみろと言いたい。

核保有国こそ先に捨てなければならない

2009年に、「核兵器のない世界へ」と言い続けた米オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞したが、ちゃんちゃらおかしい。アメリカは核兵器の全廃をしたか? むしろ、その脅威によって、北朝鮮は核兵器の開発をする始末。核のない平和な世界を提唱しているアメリカが、率先して核兵器の廃棄を主導しなければ何も始まらないだろう。

確かに、核兵器が国の発言力と結びついている限り、自国だけが核兵器を廃棄することは難しいかもしれない。だが本気なら、言葉だけでなく、行動に移すべきだ。

実際に、「核拡散防止条約」に加盟するために、南アフリカは核兵器廃棄をやってのけた。アパルトヘイト政策で国際的に孤立していた同国が、国際社会に復帰し、黒人との融和を図り始めるという国内事情があったとしても、核兵器を破棄した国は存在する。やってやれないことはない。

日本政府は自国民に間違ったメッセージを送ったことを恥じるべき

核兵器廃絶を語る際、「核の抑止力」とよく言うが、全廃してしまえばそんなものはそもそも必要なくなる。暴力を暴力で押さえようとしても憎しみや悲しみしか生まないし、軍拡は、破滅の道を突き進むだけだ。

それは理想論だ、と言われるが、それでも結構。理想を掲げて突き進まなければ理想に到達はできない。だから、世界で唯一の被爆国である日本が、核兵器禁止条約に反対したことがまったくもって理解できない。

日本は、核兵器のない平和な世界を目指しているのではなかったのか? 決議後の外務省の発表も解せない。

外務省のスタンスは、核軍縮は段階的なアプローチが唯一の現実的な選択肢、というものだ。現実的かどうかなど関係ない。日本が核兵器を禁止したいのか、そうでないのか、が問題なのだ。

しかも、「段階的なアプローチ~」という論理は、核兵器保有国が持つ論理だ。いつから日本は核保有国のような考えになったんだ? かく言う僕だって、この条約が調印されたとしても、現実的に核兵器がすぐになくなるとは思っていないが、日本国民として、日本政府のスタンスが情けなく、恥ずかしく思う。

なぜか岸田外務大臣は「(実質核保有国の)北朝鮮が賛成している」ということも強調していた。だから何? 核兵器のない世界を目指すわが国の立場は一貫している? だったら、自国民に誤ったメッセージを送らないためにも、賛成の立場を示すべきだった。その上で、非核兵器国と核兵器国の対立がないように、立ち回ればよかったのだ。

しかも、岸田大臣は被爆当地の広島県出身で選出も広島、核廃絶を訴えてきた議員だ。広島県民からすれば、それこそ理解し難い行動なのではないか。

100歩譲って、アメリカの「核の傘」に守られている日本の立場があるとしても、国際社会において日本が出すメッセージとは到底思えない。