編集長ブログ

困窮学生への現金給付に猛反対

2020.05.19

政治

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学生支援をするなとは言わない。別の形で支援することがなぜできないのか。10万円の現金給付が国民に受けた(?)からなのか、とにかく現金を配ることが政府で流行り出した。

今日、困窮学生への10万~20万円の現給付が閣議決定された。

財源もあるから、ウケそうなところ(困窮学生がメディアで報じられているからか)を優先的に、まあ大盤振る舞いだこと。今回必要な金額は500億円だそうだ。アベノマスクを配らなければできたのに。また、700億円ある政党助成金を今年はカットして配ります、とでも言えば支持率も多少は上がっただろうに。

今回のコロナ渦で。政府は所得が急減した世帯や非課税世帯を対象に、30万円の給付を決めたが、不公平感や申請の難しさなどの悪評により、全国民10万円の現金給付に変えた。まあ、それさえもほとんどの国民はまだ手にしていないようだが。

困窮国民は(30万円給付の)対象になる人だけではない、という大義名分から急遽ひっくり返したものだ。10万円の給付は当然困窮学生にも渡るし、その両親にも渡る(保護者が居ればの話)。ご両親が健在であれば、最低30万円の給付は受けられる。受け取る額は最初の非課税世帯30万円給付と何も変わらない。そもそも論が全くおかしくなっている。

義務教育でもない、大学や専門学校の人への現金給付の大義名分が全くもってわからない。国を背負う若者だから、高等教育を受けさせなければ、ということなのか?元々そのような成績優秀者には、返済不要の奨学金が支給される。自分の意思で経済的負担も覚悟しながら、進学したものだけに、現金給付をするのは如何なものか。

そのために各種奨学金や、今年度から導入された高等教育無償化制度があるのではないか。諸条件はあるが、非課税世帯には学費の減免の他、最大91万円の生活支援金が支給される。このようなものを全て受けていたら、逆に焼け太る人も出て来やしないか?

元々経済的困窮を理由に進学をあきらめた人も多数いるだろうし、夜間高校へ通う困窮者もいるかもしれない。彼らが納めた税金で困窮学生だけを支援することには猛烈な抵抗がある。

夢(学生生活?)を諦めて止む無く退学せざるを得ない、などの報道をみかけるが、その程度で夢破れるのであれば、初めから叶うはずもない。進学せずともバイトをしながら夢を追いかけている人もいる。そのような困窮者には、この支援金は届かない。休学制度もあれば、各種助成制度は山ほどある。バイトが無ければ、東京都や大阪府が困窮学生へのバイト募集しているので、応募すればよかろう。三菱UFJ銀行も5000人のバイトを募集している。また、スーパーのレジ打ち、配送業などまだまだ人手不足の所も多い。

政府がすべきことは、このような直接支援ではない。バイトが無くて困窮するのであれば働ぎ口を作る(救う)ことだ。また、無利子貸し付けの増大や、奨学金の拡充で充当させるべきではないか。

選挙権が18歳に引き下げられ、有権者になったから、と穿った(ひねくれた)見方をするのは僕だけか?

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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