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東京佐川急便事件とうきょうさがわきゅうびんじけん

暴力団がからんだ汚職事件

自民党・経世会(竹下派)の金丸信会長が、佐川急便から5億円の闇献金を受領した汚職事件。金丸は、1992年10月に事件が原因で衆議院議員辞職に追い込まれた。

事件の背景には「皇民党事件」があった。「皇民党事件」は、次期首相の最有力候補であった竹下登が、指定暴力団稲川会系の右翼団体日本皇民党から“ほめ殺し”攻撃を受けていた事件。

“ほめ殺し”とは、右翼団体が行う街頭宣伝活動で、攻撃対象である人物を、皮肉を込めて徹底的に誉め称えるなど、嫌がらせの街宣活動を行い、圧力を加えることを指す。

恩義のある田中角栄を裏切って経世会をつくったとされる竹下登は、日本皇民党から執拗なほめ殺し攻撃を受けていた。竹下登はほめ殺し攻撃に対処するため、腹心であった金丸信に相談。金丸信は東京佐川急便の渡辺広康社長(当時)に、暴力団稲川会会長・石井隆匡との仲介を依頼。「竹下が田中邸を訪れ謝罪すること」を条件に事件は沈静化した。

その後、東京佐川急便は、石井と関係のある会社に対して、総額約4395億円の融資や債務保証を行うことになる。1992年2月、東京地検特捜部は、渡辺社長ら4人を、東京佐川急便に952億円の損害を与えたとし、特別背任容疑で逮捕。数千億単位の資金が非合法組織に流れたため、東京地検特捜部も闇献金や不正融資などの疑惑の追及を続けた。

その結果、金丸が東京佐川急便から5億円の政治献金 を受けていた事実が発覚。金丸信は政治資金規正法違反で略式起訴された。政治資金収支報告書への記載漏れを認めたため、略式起訴による罰金で済んだが、世論が猛反発し金丸は結局、議員辞職に追い込まれた。

5億円の政治献金をめぐり、経世会の小沢一郎は検察への徹底抗戦を主張したが、同じ経世会の梶山静六は早期の事態収拾を図ることを求めた。以前より関係が悪かった小沢と梶山の対立が決定的となり、経世会内部の亀裂も深刻化。梶山が自民党幹事長に就任する一方、非主流派に転落した小沢は羽田孜・渡部恒三と共に経世会を離脱して羽田派を旗揚げした。

この事件をきっかけに経世会(竹下派)は真っ二つ

ロッキード事件で田中角栄が逮捕された後も、田中派は竹下派になって力を持ち続け、リクルート事件で竹下政権が総辞職するも、党内での力を保持し続けた。けれども、東京佐川急便事件で金丸が失脚したのをきっかけに、竹下派は真っ二つに割れてしまった。

盟友だった竹下と金丸の間には、すでに亀裂が入っていたらしいが、東京佐川急便事件で金丸が辞任した経世会の会長に、竹下子飼いの小渕恵三が半ば強引についたのが決定打だった。

金丸にかわいがられていた小沢一郎が、羽田孜、渡部恒三、石井一、岡田克也、二階俊博らを引き連れて自民党を離党し、新生党を作った。その後、細川護煕を首相とする非自民連立政権を樹立したのは、日本の政界にとって大事件だったよね。小沢がこの事件をきっかけに自民党を飛び出したことで、政権交代の礎ができたと思っている。

 2019.08.20更新

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