編集長ブログ

選挙は終わるまでわからない。東京都議選

2021.07.05

政治

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昨日東京都議選挙が行われた。新聞の1面もほとんどこの話題だ。ニュースで沢山出ているが、僕も自分なりに分析してみたい。

一番のトピックと言えば、昨日の選挙速報でも自公過半数に届かず、という事だろう。

事前の調査では自民党が45議席前後取り、都民ファーストが惨敗という予想だったので、結果は意外なものだった。最近の世論調査は選挙予想をあまり違えないので、僕自身も少し驚いた。

昨日は雨も降り、コロナ禍でもあったからか、過去二番目の投票率だ。これは素直に残念に思う。投票権も18歳からに下がったのだから、都政であっても政治に参加する意識を持って欲しいと思う。

組織票が機能する低投票率で自民党が事前予想の議席を獲得できなかった自民党には痛手だろう。東京と全国が同じ思考パターンという訳ではないので、国政に直結するわけではないが、選挙で負け続けている菅自民党が浮足立つことは考えられる。

公明党は国政選挙と同等に、この都議選には力を入れてくる。公明党単独で考えると低投票率が味方したと言えよう。こちらは議席を減らすのではという予想だったので、雨が降ろうが槍が降ろうがフル稼働する創価学会員の力で巻き返しが効いた。得票数は投票率に関わらず変わらないのだから、投票率が低い方がいい。新人であろうが、現職であろうが、党で投票を配分してあるから候補者の名前は関係ない。いつものごとく候補者全員が当選した。

公明党の唯一無二の支持母体、創価学会は本部が信濃町にある。現在宗教法人の許認可権は文部科学省に移っているが、1990年代までは都道府県知事が認可権を持っていた。東京都知事が許認可権者だったので、そもそも公明党の結党の原点が東京都議選にある。絶対に落とせない。前回も勝ち馬に乗るべく、自民党を見捨てて勢いのあった都民ファーストにへばりついた。コバンザメのような政党だ。

選挙戦のさなか、小池都知事は過労で入院し、都民ファーストへの支持も明確にしなかったのも彼女らしい。機を見るに敏だ。終盤に退院して応援演説こそしなかったが、都民ファーストの候補者の激励に訪れ、その候補者は全員当選した。

公選法上の公平さで、公示期間中は特定候補の報道はしないのが常で大々的に報道がされなかったが、ネット上では小池都知事の行動が拡散され、同情票を吸収した。自民党の麻生大臣が、入院した都知事をディスッタことも票が自民党から逃げたのではないか。ここで形勢逆転が起きた。嫌味を込めて、見事と言うしかない。一時は自民党の候補者とのポスター撮影にも応じる構えだったというのだから。

立憲民主党も議席を伸ばしたとはいえ、7議席延ばして15議席の第5党。政権の受け皿になるとは言い難い。前から言っているように、国政では前回の失政を想起させる執行部を一掃しない限り、政権交代などは有り得ない。

ということで、今回の選挙は小池都知事の一人勝ちだ。

 

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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