そこにコブがあるから
2022.04.26
その他
0コメント僕はこの季節よくスキーに行く。真冬はあまり行かない。
4月に雪があるのか、と良く聞かれるが、僕がメインで行くかぐらスキー場は今日現在山頂に280cmの雪がある。因みに山麓で130cm。ゲレンデでない場所は芝も見えてはいるが、関東屈指の降雪量を誇るかぐらスキー場は、今年5月22日までの営業だ。別にプリンス(苗場を含む31施設をシンガポールの政府系ファンドに売ったが)の回し者ではない。宣伝している訳でもなく、むしろ苗場スキー場などはサービスの劣化が激しくて、スキー全盛時のメッカだった面影さえない。
貧すれば鈍するとは良く言ったもので、あのロイヤリティでは客が減るのも仕方なかろう。今日はそのことを論じるのではないから、割愛するが、八海山スキー場も売約されたので、来年以降閉鎖されてしまわないか、冷や冷やしている。
因みに八海山スキー場も、中腹にあるレストランは休日にもかかわらずガラガラで、生ビールは無くなるわ、メニューは各種カレーしかないなど、いつ潰れてもおかしくはないのではないかと思わせた。ゲレンデは、上から下まで急坂しかなく、コアな人しか来ないスキー場だったが、コブコブで愛するコースの一つだったのだが(無くなるわけではない)
スキーの話になると延々と続きそうだ。
閑話休題。
コブというのはサラサラの雪には出来ない。春のザラメ状になった雪は人が滑った後にコブが出来る。緩斜面には出来ないので、結局上級者コースになる。
ハマったのは30歳を過ぎてから。それまでは整地されたコースをきれいに滑っていれば良かったのだが、ある時に後輩を連れて行ったことがきっかけでコブにハマることになる。
前職の直属の部下が、「寒い時になんで雪の上で更に寒くならなければいけないのか」と、友人とスキーに行っても、一人温泉に浸かっているのだと言う。
「そうか、騙されたと思って一度ついて来い。それで嫌だったら二度とやらなければいい」と丸め込み、草津温泉スキー場に連れ出した。
さすがに初心者、転んでへとへとになっていたので、もう二度とやらないかな?と思っていたら、次週も一緒に連れて行ってくれ、と言う。
中級者コースで転んだ時に「下手くそ、こんなところにいるんじゃねーよ」と知らないスキーヤーに言われたこともあり、火が付いたらしい。
元々運動神経はいい、次週の苗場では、ナイターでコブにハマって転んでも何とか滑り降りていた。
彼の友人もスキー好きでコブを滑る。二人で白馬の兎平(コブで有名)へ出かけ、脳震とうを起したこともあるようだ。そりゃそうだよな。初心者に毛が生えた程度で兎平は無謀だ。しかし、これが上達する一番の方法だ。
後輩と行くと、僕よりもコブだけは上手くなっている。教えた僕も悔しくなり、段々とコブに入るようになって、ハマってしまったという訳だ。
しかし、30歳を過ぎてからというのは中々上達しない。
簡単に言うと、コブを吸収するために、コブの底で膝を思いきり曲げて前を向かなければならないのだが、頭は怖い方が先に出て、足が突っ張ってブレーキを掛けようとする。これでは逆にコブからの反発を受けて飛ばされてしまうのだが、恐怖心から身体が言う事を効かない。
なので、子供は上達が早い。トラウマがないからだ。軽いのと柔らかいこともあり、身体が勝手に膝を折りたたむことを覚える。
世界的なヴァイオリニストの五嶋龍君も言っていた。「子供の頃にいろんなことを経験させて、成功体験をさせないと、大人にって勝手に天井を決めて諦めてしまう」と。
Jリーグ初代チェアマン川淵氏も、それをシーリング(天井)効果と呼び、天井を決めてはいけない、と。
若い頃はモテたいとか、いろんな理由でスキーにハマっていたのだが、今ではなんでここまでハマっているのか自分でもわからない。
でも、一歩一歩出来るようになる自分が好きだ。シーズンが終わると、不得手な左足の内側に体重を乗せ一本足でタバコを吸っている。
今シーズンはもう行ける時間がないのだが、来シーズンまでまた体幹を鍛えねば。
仕事にもその情熱を注げよ、とよく言われる。。。。