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編集長ブログ

村上ファンドの金融授業

2017.12.15

社会

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友人の村上世彰さんが、中学生に、金融授業をするというので、朝早く起きて、大泉学園にある中学校に見学に行った。

村上さん、楽しそう。

東京地検特捜部に逮捕され、証券取引法違反で有罪判決(執行猶予付き)を受け、シンガポールに移住されたが、祖国日本で何か残したい、ということで、数年前からまた日本での活動を再開している。

シンガポールに行く前に電話を頂き、日本への失望を語っていた頃とは、なんだか顔つきが違っている。

村上氏の功罪(罪はない!、裁判所の判断がそうなっただけで、僕は罪を犯した意識はない、といわれそうだが)はたくさんある。

経産省が主導で、企業のコーポレートガバナンスコードや、スチュワードコードシップが導入されることになったのも、彼の存在が加速させたことは間違いない。

アクティビストという言葉を日本に知らしめたのも村上さんで、企業(特に上場企業)の経営者が、緊張感を持ちだしたのも大きい。

そんな村上さんが中学二年生(おそらく100名ほど)の前で、2時間の講義をした。

小中一貫で、帰国子女が4割もいるという学校だから、質疑も発言も積極的で、日本の将来も捨てたもんじゃないな、と内心思っていたが、素直に育って欲しいものだ。

ある女子学生が「大人は勉強していい大学に入れ、と言いますが、村上さんはどのように思われますか?」との質問に、東大法学部卒業、通産省入省のスーパーエリートは、少し困ったような顔をしたが、

「大学が絶対に必要かはわからないけど、勉強はして欲しい。受験勉強というよりも、色んな事に、疑問を持って考えることが重要だと思う。僕はいつもいろんなことに興味を持って、モノの値段(築地での価格、八百屋での価格なども)、社会の矛盾、などなど、ずっと子供のころから考えて育ってきた。考えるということをやり続けることが重要だと思う」

との答えをした。

確かにその通りだな。
ものを覚える、というよりも、考えて答えを導き出していく人間になっていって欲しいな、と思った。

勉強になった。
早起きして良かった。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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