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編集長ブログ

外れ馬券は経費に

2017.12.18

社会

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競馬は、僕の趣味と実益(がマイナスだからないけど)を兼ねている。

負けると知人から「○○円(負けた金額)があれば、○○が買えた」とか、「美味しいものが食べられた」など言われるが、それは結果論で、最初から負けると分かっているなら、こっちだって買わない。

当然、勝つと思って投票(競馬は、投票という)しているのだ。
東京ティズニーランドに行ったら、入場券と飲食代、お土産代などで、15000円程度は掛かるだろう。
こちらは、楽しい思いをその金額で購入するが、却って来ることはない。

競馬は楽しんだ上に(負けたら、楽しいかどうかはわからんが)、もしかしたら、財布が厚くなって帰れるかもしれない。

競馬は僕にとってレジャーなのだ。

さて、今日は自分の話ではなく、外れ馬券の経費計上について。

https://mainichi.jp/articles/20171215/k00/00e/040/268000c

北海道の男性が延べ72億円分の馬券を購入(面倒だから、「購入」にする)して、76億円の払い戻しをした。

これだけ見ると、差し引き4億円も儲かったのだから、その分の「一時所得(競馬はこれにあたる)」に税金を掛けるのは当たり前、くらいに皆さんは思うだろう。

おかしな話だ。

こう考えて欲しい。
中央競馬は、基本的に1日12レース行われる。
1レースから馬券を購入して、11レースまでに5万円負けていたとしよう。

みなさんだったら、どうするか。
(そんなに負けない、とか、途中で帰るとかは無しね)

その5万円を少しでも取り返したい、と思わないだろうか。
僕は気持ちの上ではそうなる。

で、最終レースで10倍になる馬券を5千円買ったとしよう。
的中したら、ほぼほぼ損は取り返し、気分良く楽しんだ、となるだろう。

僕なら、なんで1万円買わなかったんだ、そうすれば5万円のプラスだったのに、、と、しょうもないことを考えると思うが。。

結局、最後の馬券購入代金の5千円だけマイナスになったことになる。

しかし、国税当局の主張では、その日に外れた5万円は遊興費で、最後の馬券購入に掛かった5千円だけが経費だということだ。

何を言うか。それまでの使った5万円で、その日の馬場状態や、騎手の調子、などなどが分かったのかもしれない。

元々日本では賭博禁止だ。

パチンコも法のグレーな部分をついて、成り立っていてギャンブルでないことになっている。
おかしな話だが。

富くじも禁止されているので、宝くじなどのギャンブル(宝くじは日本最大のギャンブル)は公益(国や地方自治体など)団体が、その収益の一部を公共に役立てる大義で運営されている。

宝くじの寺銭(ギャンブルのしょば代)は55%にも及ぶ。
半分以上が手数料として搾取されているのだ。

宝くじは、購入と同時に税金が掛かるので、配当金(分配金で、購入金額を当選者で分ける)は、その購入金額の45%しかない。

中央競馬の場合、馬券の購入金額の10%が国庫納付金として、国に自動的に入る。15%がJRAの取り分だ。

JRAの利益が出たら、またその半分が国庫に入る。

勝とうが負けようが、最初から購入金額の10%は国庫に納付されているのだ。

72億円の馬券を購入したのなら、7億2千万円が国庫に納入されていることになる。
二重課税だ。

僕もさすがに30年前からの損を経費と認めろとは言わないが、株式投資でも、損益通算が認められていて、損益を出せば、税金が払い戻される。

これ言い出すと、ずっと続きそうだ。

さて、IR法案で認められたギャンブルはどうなるんだ?

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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