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編集長ブログ

徴用工問題で新日鐵住金が敗訴

2018.11.01

政治

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僕が日本人だからこう思うということもあるのかな。韓国という国はどこまでも、政治も司法もその時の世論に乗ってしまうのだと。

一昨日、韓国の最高裁判所である大法院で、元徴用工に新日鐵住金は約4000万円(一人につき1000万円)を支払え、との判決を下した。徴用工の是非は別として、日本政府が毅然たる抗議をしたのは至極当然だ。

徴用工問題は1965年の日韓基本条約で、完全に両国間で解決済み、ということになっているからだ。

遡って2012年韓国大法院では、日韓基本条約の日韓請求権協定は国家間の話であり、個人の請求権は消滅しないとの判断を下した。屁理屈だと個人的には思う。2005年の廬武鉉政権において、元徴用工には韓国政府が救済措置を行うと述べている。

個人的な感想だが、韓国は司法においても(政治は特に)、世論に配慮(というかおもねる)傾向が強い。政権が変わるたびに言うことが変わるし、変わるだけならまだしも、国家間の取り決めでさえも、反故になりそうな勢いだ。

取り敢えず韓国側に立ってみよう。1965年は軍事政権下で今とは事情も違う。国力も当時は日本に比べて小さかったので、日韓基本条約により5億ドルの資金援助は大きかった、などなど。一人当たりGDPも日本と肩を並べてきたし、2012年の大法院の判決で個人は自由だ、ということか。

それは国内法の話であって、国際法においては通用しないだろう。韓国国内で争う(裁判)のは自由だし、判決もそでよかろう。しかし、1965年の取り決めによって国家間で確定したものを勝手に解釈されたのでは、国家間での取り決めなどできない。本当にそのように思うなら、日本国内で日本の国内法において、新日鉄住金と争うか、自国で韓国政府に賠償を求めるのが筋だと思う。法律の専門家ではないので、暴論かもしれないが、政治の世界からみればそうだ。

この判決により、別に進行する徴用工の裁判も日本企業側の敗訴が続く可能性が大きいし、訴訟準備に入る元徴用工(の遺族)も増えるだろう。

本音を言えば、文在寅大統領も困っているのではないか。市民派を標榜し、大衆迎合大統領だから、国際法では屁理屈だとわかっていても、世論に最大限配慮しなければならないからだ。特に日韓関係においては、韓国国内世論は敏感だ。

日本は毅然とした態度を続けるのが当然としても、韓国政府はどのように出てくるのか。日韓関係を占ううえで文在寅大統領の差配は試金石だ。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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