編集長ブログ

ゴーン氏逮捕によって日本の司法問題が浮き彫りに

2020.01.07

社会

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僕の友人で大手紙の社会部の記者は2年連続で年末年始の休みがなくなった。

去年も今年もゴーン被告のせいだ。一昨年の年末にプライベートジェットで日本に入国したところを、東京地検特捜部に逮捕されてから1年。今度はレバノンへの逃走劇。報道を見るにつけ、いくら日本の司法制度に疑問を呈しているとはいえ、下衆だなあと思ってしまう。

荷物に隠れて巨額な金を使ってスパイ映画さながら(ほめてない)の逃亡だ。そのうち戻ってきて裁判を受けるなら、下衆と言ったことは取り消そう。しかし、日本の日産で稼いだ巨万の富を使って、レバノンで悠々自適の生活を続けるのであればやはり下衆だ。

それはそうと、ゴーン被告逮捕によって、人質司法が問題になった。否認を続けると、いつまでも保釈されない。人間は強いものではないので、精神的に参ってやってはいないものを自白してしまうかもしれない。

僕の友人で、現作家の佐藤優氏は511日間も拘置所に入っていた。被疑者(有罪が確定していない)の段階でこれは異常だ。逆に罪状認否で認めれば、保釈が認められる事がほとんどだ(殺人などの重大事件は別)。またまた友人の大王製紙元会長井川氏は、11月末に逮捕され、12月末に保釈された。年末年始は自宅で過ごせるようにとの検察の配慮かもしれない。弁護士の同席も認めないし、推定無罪の主義に反する。これは改善すべきである。因みに僕は友人4人が東京地検特捜部に逮捕されている。自慢にはならないが、、

ゴーン氏の肩を持つつもりは全くないが、被疑者のうちには一定の条件をつけて保釈を認めるべきだ。

この一定の条件が問題だ。欧米のようにGPS付きのブレスレットなどつけるという意見もあるが、今回それを付けていても24時間監視しているわけではないだろうから、気づいた時には空の上だった、という事になりかねない。

裁判所に届け出ない限り、ある範囲を超えると通知される、音が鳴るなどの処置が必要か。

また、保釈逃亡罪も作るべきだろう。今の法律では逃亡罪がないので、保釈金が没収され説教されるくらいだ。日産で稼いだゴーン被告には15億円の没収など痛くもない、ということだろう。

いずれにしろ、ゴーン氏逮捕によって、いろんな司法の問題が浮き彫りになったことは事実だ。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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