編集長ブログ

プリンセス駅伝で四つん這いになりながら襷をつなぐ

2018.10.23

社会

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感動的な場面だった、とは思う。僕も夜のニュースで見ただけなので、何とも言えないが。ネットでは、賛否両論が渦巻いているようだ。岩谷産業の飯田選手が、骨折(後に判明)をしながら、這いつくばって襷をつないだ件だ。

部外者の僕がとやかく言うことでもないのかもしれない。でも、結果論として途中で大会運営者は強制的に止めるべきだろうと思う。監督はアクシデントを知った時に、中止を伝えたようだが、運営側に伝わったのは彼女のゴール20m地点だったので止めなかったということだ。

僕はルールに則って運営をしている運営側に落ち度があったとは思わない。選手の意志を尊重するのもある程度までは理解できるが、選手生命を絶たれたり、その後の生活に支障がきたすかもしれない危険したら、独断で止めてもいいのでは。

結果論と言ったのは、最終順位は下から三番目まで落ちてしまったのだから、シード権にも関係なかったということ。仲間と一緒に襷をつないでいきたいという選手の気持ちは理解できるが、危険を冒してまですべきことか疑問に思うからだ。襷をつながなかったところで、何かペナルティでもあるわけではあるまい。しかも、競技中のアスリートたちはある種興奮状態で、アドレナリンが出ているので、ちょっとやそっとのことでは、自ら棄権するなどはないだろうから、冷静な第三者が判断してあげるべきだ。

名門の三井住友海上の選手も脱水状態で棄権したが、生命の危険まであるのだから、それも即刻中止にさせるべきだろう。何かあってからでは遅いからだ。

仲間と一つの襷をつなぐ、という美徳は日本人にはとても合っている気はするし、感動的だが、それも度を越してまですることではない(と僕は思う)。

賛否の否に、このような企業はブラック企業だと非難している輩がいるが、それはちと言い過ぎだろう。会社側も強制的に走らせた訳ではないし、監督も中止の判断をしていた。前にも述べたが、運営側は選手の意志を尊重しただけ。こういう事で、部外者が誰か責めるのはどうかと思う。ただ、これからは教訓を生かして、運営側がもう少し配慮するように望みたい。

怪我をされた飯田選手がトラウマにならず、これをバネにフィールドへ戻ってくることと、一日も早い回復を祈っている。

因みに、僕は飯田選手とも岩谷産業とも縁もゆかりもない。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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