編集長ブログ

やっと上場企業の役員報酬決め方開示

2018.12.06

経済

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金融庁が上場企業の役員報酬の決め方開示を義務化する方針だ。当然だと思う。欧米では当たり前になってきているが、それが「上場する」ということなのだと思う。

東証ジャスダックに上場している企業もあるが、これはかつて証券取引所ではなく、ジャスダック市場に店頭登録して、株式を売買させていた頃からの流れだ。ベンチャー企業向けに、東証よりも緩い基準で株式を売買できる仕組みを作った。その後、東証もマザーズなどベンチャー向けに市場を作り、ジャスダックを運営した大証と東証の合併で現在は東証ジャスダックになっている。

店頭登録企業を、かつては店頭公開と言った。株式を一般に売買させるということは、「公開」するということなのだ。上場企業は、広く一般の株主から資金を得て、その株主たちに経営の開示義務を負う。

当たり前だ。会社法上、株式会社は株主のものなのだから。役員とは、株主総会で株主から経営への付託を受けた人たちのこと。CEOだからと言って、会社をわが物のようにしていい訳はない。

日産の前会長カルロス・ゴーン容疑者の数十億に及ぶ報酬が高いか安いかは僕が論じることではないと思うが、日産の株主(43.4%はルノー)からすれば、その額の決め方に納得感がなければならないだろう。

役員は株主代表訴訟や、その他の責務も負うため、高額な報酬を貰ってもいいと思うが、それはキチンとしたディスクロージャーがあってこそだ。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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