編集長ブログ

安倍総理電撃辞任 先ずはご苦労様と言いたい

2020.08.28

政治

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佐藤栄作政権を抜き、憲政史上連続在任記録が最長になった途端、安倍総理が辞意を表明した。

持病の潰瘍性大腸炎の再発ということだが、知り合いとしては、先ずはご苦労様と言いたい。

政治的空白を作るべきではないので、次期総理はなるべき早く決めるべきだが、突然の事だったのでそう簡単ではない。

後継者に関しては、それぞれの思惑が重なり、すでに駆け引きが始まっている。

陣営を大まかに反安倍、親安倍、中立の3つに分けてみよう。

反安倍の急先鋒は石破茂元幹事長だ。自民党総裁選が行われるとすれば、石破氏がかなり有力だと思われる。7年8か月続いた安倍氏がこのような形で政権を退くとなれば、振り子が逆に振れると思われるからだ。

親安倍の1番手は岸田政務調査会長だろうが、いかんせん、国民的に人気がない。発信力が弱く、禅譲狙いで、自分が取りに行くという気概が感じられない。国民にもそれが透けて見えていて、親安倍派からも、頼りなさを指摘されている。しかし、権力の中枢を担い続けたい人達からは、仕方なく彼を担ごうという流れが出そうだ。

緊急避難的に両院議員総会だけで後継者を決めようとすれば、有力な一人だ。

親安倍のもう一人有力候補が菅官房長官。総理への色気を出す素振りは一切見せないのだが、岸田氏は頼りない、でも石破氏は絶対に嫌だという人達から担がれる可能性は十分にあるし、二階幹事長との最近の蜜月ぶりは、きな臭さも感じさせる。

二階幹事長の動きも注視だ。この方は、とにかく自分が権力の中枢にいられるように、とにかく全方位で手を伸ばす。機を見るに敏なので、石破氏との関係も悪くない。9月の石破派のパーティの講師を務める予定など、どちらに転んでもいいように行動する。二階氏の動きは非常に注目される。自らが幹事長に残れるように、差配しようとするとみられる。

ダークホースの中立派は河野外務大臣だろう。安倍政権内にいるが、親安倍とは言えず、中立だ。麻生派に所属しており、領袖の麻生氏は「河野はまだ早い」と言っているようだが、総裁選が実施されて出馬した場合は、国民からの受けもよく、石破氏と党員票は2分する気がする。

以前、森首相になった時には密室で総理を決めた、と猛批判があり、支持率も低空飛行のままだったので、両院議員総会だけで決めると国民からソッポを向かれる可能性があり、やはり総裁選を開かざるを得ないだろう。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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