編集長ブログ

議員の公募制度について

2016.03.06

政治

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この前のテレビでの話題は
議員の公募制度についてだった。

上西小百合氏、宮崎謙介氏、武藤貴也氏など、
問題になった議員たちが公募だったからだ。

日本はもともと、地盤(後援会組織)、看板(有名な名前)、カバン(資金力)の
3バンがないと中々当選ができない、という問題がある。
だから、古い自民党は世襲が多い。

かつて、衆議院が中選挙区制度の時代は
特にその傾向が強かった。

中選挙区の場合、一つの選挙区から3人~5人くらいが当選する
すると、過半数の得票をしなくてすむので、
ある業界団体などの利益誘導をすれば当選できるので、
いわゆる族議員が生まれる温床だった。

それが小選挙区になって、広くあまねく得票をしなければ
当選できなくなったので、
地盤、看板、カバンがない人でも
支持をされるような人を選ぼう、と
古い自民党であっても公募を始めたのだ。

しかし、その選び方に問題があるのだと思う。

見た目が良くて、学歴や経歴さえ整っていれば
有権者も選ぶだろうと、安易に選びすぎてはいないか。

同じ議会制民主主義の先輩、イギリスでは
歴代総理のサッチャー氏もブレア氏もキャメロン氏も
公募から出てきて、全体としても世襲はとても少ない。

それは、選挙区を党が決めて、その後移り変わることも珍しくないからだ。
最初は、厳しい選挙区で大体落選する。

それでも、善戦して戦えば、有利な選挙区に移してもらえる。
最後には、選挙の心配のいらない地盤に移され
党のエリートして育てられる。

党や、党員が自分たちの政治家を育てる土壌ができているのだ。
優秀な人たちが立候補できるように
国が休職制度を認めていて、
落選したら復職できる道もある。

日本の場合は、選挙のほんの数週間前に募集して
公開討論会も行わずに、書類選考と面接で決めてしまうことが
ほぼほぼだ。

もしくは、政治を知らない歌手やプロレスラーなど
名前の知れている人を一本釣りして安易に決めてしまう

もう少し議員になるための制度を整えるとともに
選ぶ方も安易に選ばないようにしたいものだ。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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