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編集長ブログ

日銀政策決定会合

2018.08.01

経済

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昨日、日銀が政策修正を示した。といっても、金融引き締めに転換したわけではない。

市場では、もしかしたら日銀が大胆な金融緩和からの転換を図るのではないかと、長期金利も上昇気味だったのだが、低金利政策の継続に、長期金利は下落、為替は円安、株高で市場は反応した。

日銀は、長期金利の変動幅を広げ、大胆な金融緩和への副作用を和らげようというメッセージを出したが、2%の物価上昇については、2021年を目標に掲げ、実質白旗を挙げたということだ。

本来であれば、もうとっくに物価上昇目標は達成されていたはずなのだが。

異次元の金融緩和政策をとった時には、自信満々だった黒田総裁も、どうも物価上昇に関しては、外部要因を挙げて、言葉を濁すようになってきた。

それよりも、銀行はじめ、各金融機関が、長引く超低金利により痛み、その副作用の方が現実味を帯びてきていることからも、金利上昇も容認しながら、超低金利を続けるというなんだかわかりにくい政策に走った。

そもそも、物価上昇率が2%に達したら、国民にとって何が利益になるのか。そもそも、消費者物価だけが上がり、賃金が上がらなかったら元も子もない。

元々、金融政策だけで、人為的に物価上昇をさせようというのに無理がある。行きつく先はハイパーインフレだ。何度も言うように、金融政策はあくまで補助的なもので、そこに、労働人口の増加(少子化対策)、生産性の向上、拡張する社会保障費の抑制(高齢化対策)などをセットにして、長期的な安心感を政府が示していかなければ、カネは社会に回っていかない。このままでは、本当に副作用が顕在化する。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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