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編集長ブログ

消えない同日選観測

2019.05.17

政治

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何度も言うが、僕個人は解散権は首相の専権事項だと思っていない。衆議院の解散は内閣の助言と承認によって天皇の国事行為として行われる。第7条に書いてある。

当然、天皇は政治的に関与しないから、解散を自らすることはないが、勝手に内閣が決めていいというものでもない。野党議員の身分も奪うのだから。

憲法の69条には内閣不信任案の可決で衆議院を解散するか、総辞職しなければならない、とある。それは当然。内閣不信任案を出すのは基本的に野党だから、その時には野党も責任を負うべきだ。野党提出だから、内閣不信任案が可決されることは与党の内紛以外にない。憲政史上4例だ。野党もポーズで出すことが多い。しかし、これを否決した場合であっても、僕は解散してもいいと思う。それは総理の専権事項であるべきだ。野党もそのくらいの覚悟をもってやれ、と言いたい。

急になぜそんなことを繰り返して今述べているかというと、友人から「憲法を争点にした解散で、同日選挙があるのでは?」と質問されたからだ。僕は「99%ない」と答えた。

同日選の観測が出ているのは、前回大勝した参議院が今回は数を減らすだろうから、その傷を少しでも浅くしたい、という党利党略が自民党にあるからだ。過去の同日選挙では基盤の強い自民党が衆議院も参議院も圧勝している。参議院は選挙区が広いが、衆議院は選挙区が狭く、衆議院候補たちがフル稼働するから、参議院にも票が回るのだ。(選挙区の広い参議院は浮動票が野党に多く流れる)

それでは露骨だから、大義を掲げて消費税の増税延期などの理由付けを探しているだけ。

消費税増税は10月に迫っている。7月の参議院選挙後に延期というタイムスケジュールは準備に入っている段階で不可能に近い。米中貿易摩擦により、市場が混乱している今、へ理屈を付ければできないことはないだろうが、リーマン級のショックというのはこじつけに他ならない。

最近、憲法改正論議が停滞しているので、総理が憲法改正について国民にもっと訴えろ、と発言した。そのことを受けて、憲法改正を争点にするのではとの観測が出た。総理の政治的イシューは尊重しなければならないし、大いに議論をすればいい。しかし、それを争点に解散は現実的でない。だから、消費税増税延期とセットで、という観測も出るのだが、そうしたい人たちが言っているだけ。

まだ国民的議論が煮詰まっていない段階で、これを争点にしたら国民は二分する。改憲はした方がいいと思うが、憲法改正=9条の改正というイメージにしかならない。本当はそうではないのだが。

同日選は同盟を組む公明党も反対の立場だし、憲法改正が争点では創価学会もフル活動とはいかないだろう。与党も割れてしまう。

総理の改憲への思いはあるとしても、それを争点に戦うなど有り得ない。政治的センスのある総理ならそれくらい簡単に理解するはずだ。消費税増税延期もできなくなった今、同日選をやりたい人たちが騒いでるだけ。やりたい人たちというのは、安倍総理が盤石で中枢に居座り続けられる人たちのことだ。その人たちは総理の四選も布石にしている。総理自身の性格からいっても、僕は四選はあり得ないと思っているが。

参議院選挙には公約として憲法改正を盛り込むことは大いにある。総理にとって、解散をしなけば任期中最後の国政選挙だから、それでいいと思う。小選挙区下での衆議院選挙の争点にすると危険だが、参議院ではあり得る。

唯一同日選挙が有り得るとすれば、野党が内閣不信任案を出した場合のみだ。それは先ほどの僕の理論から言っても、首相が解散を打つ理由にはなる。野党も手詰まりになると内閣不信任案を出す。やるなら覚悟をもってやれ。

僕の見解だ。

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
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