編集長ブログ

憲政史上最長の総理誕生

2019.11.22

政治

1コメント

安倍総理の在任が前政権時代を通算して憲政史上最長になった。
このまま任期一杯まで続けるとすれば、連続最長記録も更新する。

総理自身のリーダーシップによるものが最大の要因だが、他に代わる人が思い浮かばないというのも大きいだろう。

小泉総理の後を受けた第一次安倍政権は、1年後の参議院選挙で惨敗して、潰瘍性大腸炎を理由に総辞職をすることになった。その後、福田氏、麻生氏と自民党の総理が誕生するが、二人とも1年で辞職。麻生政権は衆議院選挙でも惨敗して、政権の座を降りた。

民主党政権が誕生するが、国民の期待も肩透かしで、鳩山氏、菅氏、野田氏とやはり総理がころころ変わり、経済も低迷した。

次期総選挙では民主党の惨敗が予想されたので、総選挙時の自民党総裁が次の総理になるという総裁選で、下馬評を覆した安倍氏が国会議員の決選投票で石破氏を逆転して総裁になった。

総理になってまず手掛けたのが、経済の活性化だ。それまで金融緩和に消極的だった白川総裁を替え(日銀法改正までちらつかせ)、異次元の金融緩和を取り入れた黒田氏とタッグを組んだ。

これで8000円割れまで迫った日経平均が24000円超まで復活した。

総理に復帰する前に、「前政権時はおろそかにしたわけではないのだが、経済を最重要視したように見えなかったので、国民の支持が離反した。次はとにかくマーケットの活性化に力を入れる」と言っていた通り、矢継ぎ早にアベノミクスなる経済政策を送り出した。

民主党政権への不信への反動やころころ変わる総理に嫌気がさしていることもあり、安倍総理が支持されるのは自明の理だ。

また、体調がいいことも長続きする秘訣だ。小泉総理から後任指名のような形で総理になった時は、戦後最年少の52歳だ。大臣も官房長官しか経験してなく、本人が気負い過ぎた。

やはり復帰する前に「前回は批判も恐れ、好きなゴルフも一度しかやっていなかった。知らず知らずのうちにストレスになっていたのだろう。次は自然体で、ゴルフも封印しない」と、前回の失敗(?)が大きな糧になったと思われる。

ここまで長く続けていると有権者が嫌気を差すこともあるのだが、とにかく他に適任と思われる人が思い浮かばない。

外交においては最大の友好国アメリカの大統領があのトランプ氏なので、対峙できそうな人も考えられない。

政権交代を目指すべき野党は相も変わらず、失敗した民主党政権時の面々がトップを務めているので、交代して欲しいとはほとんどの人が思っていない。10年は政権交代もないだろう。

安倍総理とのお付き合いから、彼の性格として4選はさすがにしないとは思うが、今名前の出ている総理候補はどうも頼りない。やればやったでできるのかもしれないが、オリンピック後の難しい時期にこの日本を回していく政治家は誰になるのか、混とんとしなければいいのだが。

 

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1コメント

すずき(政経電論編集)

そういうことですよね。

ひとつ気になるのは今の日経平均は何に支えられているか、ということ。仮に次の政権が金融緩和をやめて下がったら、実態のない経済上昇だったということになってしまいます。

そしたら安倍首相の成したことって。。やっぱ国民投票やってほしい。

2019.11.22 4:34 pm

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佐藤尊徳

株式会社損得舎
代表取締役社長/「政経電論」編集長

佐藤尊徳さとうそんとく

1967年11月26日生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒。1991年、経済界入社。創業者・佐藤正忠氏の随行秘書を務め、人脈の作り方を学びネットワークを広げる。雑誌「経済界」の編集長も務める。2013年、22年間勤めた経済界を退職し、株式会社損得舎を設立、電子雑誌「政経電論」を立ち上げ、現在に至る。著書に『やりぬく思考法 日本を変える情熱リーダー9人の”信念の貫き方”』(双葉社)。
Twitter:@SonsonSugar
ブログ:https://seikeidenron.jp/blog/sontokublog/

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