石弘光氏を悼む
2018.08.30
政治
0コメント元一橋大学学長で、政府の税制調査会(税調)の会長だった石弘光氏が亡くなった。
先ずはお悔やみ申し上げる。
かつて、政府税調はお飾りのようなもので、税制に関しては、自民党の税制調査会が絶大な力を誇った。
中でも、インナーと呼ばれた山中貞則氏をはじめとした面々は、総理でさえも口を出せないと言われていた。(この人達を生きた化石になぞらえて、シーラカンスと呼んでいた)
森政権の時に税調会長に就任した石氏は、小泉政権時に力を発揮する。
小泉総理が、派閥を打ち壊し、長老支配も打破したからだ。そういう意味でも、小泉純一郎元首相の功績は大きい。ドンと言われた山中氏や柳澤伯夫氏らが亡き後、自民党税調から、政府税調へと権限はシフトした。(今では、また自民党税調に戻って来ているが)
残念ながら、現在の総裁選を見ていても、派閥の力は元に戻りつつある。先祖がえりをする自民党には残念な気持ちをぬぐえないが、それもこれもだらしない野党の存在が大きい。
閑話休題。
石先生(僕はこう呼んでいたので)は公平な人だった。給料所得控除や配偶者控除などの廃止・縮小を進める増税案(サラリーマン増税)を出し、「サラリーマンの人に頑張ってもらいましょう」と発言したことで、世間の反発を買い、選挙を控えた政治家からも批判されたが、あれは彼の信念だった。
税の知識がそれほどでもない僕が、「直間(直接税と間接税)比率の是正をして、直接税を下げて、間接税を挙げるべきだ」を言ったら、「佐藤さんね、是正というが、直間比率はほとんど一緒で、これからは財政規律の均衡を目指いさないといけないから、両方とも増税していかないといけない」と説かれた。
僕は歳出削減と減税で、経済効果を最大限に引き上げて、結果として税収があがると考えているので、その論に納得したわけではないが、石先生の話は分かりやすく、私利のないものだった。
話は変わるが、ある時、とても頭に来て(と言っても、石先生に対してではなく、政府が決めたある方針についてのこと)、財務省内にあった石先生の部屋を訪ねた。続きは明日以降、、、