イノベーションいのべーしょん 技術革新,新機軸,革新
革新または新機軸と訳され、主に技術革新の意味で用いられることが多い。しかし、生産技術の変化だけでなく、新市場や新製品の開発、新資源の獲得、生産組織の改革あるいは新制度の導入なども含んでいる。ドイツの「インダストリー4.0」や、アメリカの「先進製造パートナーシップ」、中国の「中国製造2025」など、ものづくり分野でICT(Information and Communication Technology)を最大限に活用し、第4次産業革命とも言うべきイノベーションを目指した取り組みが、各国の官民協力の下で打ち出されている。
日本も、政府の総合科学技術・イノベーション会議で検討され、2016年1月に閣議決定された科学技術政策の基本指針「第5期科学技術基本計画」の中で、世界に先駆けた「超スマート社会の実現(Society 5.0)」を掲げている。サイバーセキュリティー、IoTシステム、ビッグデータ解析、AI(人工知能)、デバイスなど、超スマート社会サービスの実現に必要な技術と、ロボット、センサー、バイオテクノロジー、素材・ナノテクノロジー、光・量子といった新たな価値創出のコアとなる技術に関して、中長期的視野に立って強化を目指すとしている。
イノベーションという言葉を、昔は「技術革新」だと思っていた。けれど最近は、技術革新は付随的な話に過ぎず、重要なのは社会を変えたか否かだと思う。18世紀半ばから19世紀にかけて起こった「産業革命」は、イノベーションそのものの事象だよね。蒸気機関の発明は、人間の労働や生活を一変させた。モータリゼーションやインターネットなども、技術の革新だけでなく社会の在り方を根底から変えた。IoT、ビッグデータ、AI、ロボット、ナノテクノロジーがもたらす「超スマート社会」が、過去のイノベーションと同じく社会そのものを変えるのかは、まだわからない。