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オウム真理教おうむしんりきょう

1987年に、創始者の松本智津夫(別名・麻原彰晃)が、前身の「オウム神仙の会」を改称する形で設立した宗教団体。1989年8月25日に東京都に宗教法人として認証された。ヒンズー教と大乗仏教を背景とした教義を持ち、すべての生き物を輪廻の苦しみから救済することという最終目標を達成するために、基本的に信者には出家して共同生活を送りながらの苦行を求める。

1989年にオウム真理教を批判していた坂本堤弁護士とその一家を殺害するなど、水面下で非合法の暴力的な活動を開始する一方、1990年、真理党を結成して第39回衆議院議員総選挙に、教団幹部ら25名を擁立し出馬するも全員落選。松本智津夫は、5人当選区で1783票獲得の最下位(13位)だった。

選挙に惨敗した結果、松本智津夫は武力による権力奪取の必要性を感じ、これを機に教団がより凶暴化したとされている。選挙の翌月には生物兵器であるボツリヌス菌の研究を開始。炭疽菌、VXガスなどの生物細菌兵器の研究に着手する。

1993年には神経ガス・サリンの製造に成功し、1994年6月27日に「松本サリン事件」を引き起こす。長野県松本市でサリンが散布され、死者8人、重軽傷者660人という多数の被害者を出した。戦争状態にない国において、一般市民に対して化学兵器クラスの毒物が無差別に使用された世界初の事例だった。

そして翌年の1995年3月20日には、現在の東京メトロの地下鉄車両内でサリンを散布する、いわゆる「地下鉄サリン事件」を引き起こす。乗客及び乗務員、係員、さらには被害者の救助にあたった人々などが被害に遭い、死者13人、重軽症者約6300人という未曾有のテロ事件となった。

1995年5月16日、警視庁は山梨県上九一色村にあった教団施設を強制捜査。麻原彰晃こと松本智津夫をはじめ、地下鉄サリン事件やそれ以前の事件への容疑で教団の幹部クラスの信者が続々と逮捕された。

1995年10月30日、東京地裁により解散命令を受けるも教団は存続。1999年9月に「オウム真理教休眠宣言」をし、12月1日は「教団正式見解」を発表し事件を形式的に認めた上で、出所した元教団幹部を代表として宗教団体「アレフ」へと名称変更。現在も「Aleph(アレフ)」と改称し活動を続けている。

2007年には、元教団幹部の上祐史浩氏を中心に、Alephを脱退した脱麻原派のオウム信者で仏教哲学サークル「ひかりの輪」を設立した。

一連の事件を起こす前に、メディアがずいぶんと面白半分に取り上げていたよね、あの教祖を。テレビにも出ていたし、彼らが勘違いして選挙に出たり、武装したりを始めた責任の一端は、メディアにもあるんじゃないの。

当時はあんなに凶悪な集団だとは思ってもみなかっただろうから仕方ないけれども、今後の教訓にはするべきじゃないのかな。松本サリン事件なんて、被害者が犯人扱い されて、連日大きく報道された。ひどい話だ。

教祖の松本智津夫は別にして、一連の事件にかかわった人たちが、一般に高学歴とされるエリートだったのには驚いた。頭の良い人たちなんだろうけど、マインドコントロールであんな幼稚な事件を引き起こしてしまう。サリンを製造する危険性はわかっているはずなのに。あれぐらいの人数でクーデターができるわけがないのに……。わからないもんだよね、人間というのは。

 2018.2.26更新

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