南スーダンPKO日報問題みなみすーだんぴーけーおーにっぽうもんだい
この問題がきっかけで日報の保管期間は10年に
存在しないとされていた、南スーダンPKO派遣時(2012年1月~2017年5月)の、陸上自衛隊の日報が存在していた問題。
2016年9月にジャーナリストの布施祐仁氏 が、自衛隊駐留地が反政府ゲリラに襲撃され戦闘があったとされる2016年7月7日から12日のうち、7月11日・12日に自衛隊南スーダン派遣部隊が作成した日報の情報開示を防衛省に請求したのが事の起こり。
情報開示請求を受けた防衛省では、日報を作成する現地部隊と報告先である国内の司令部を調査し、日報は破棄されたことを確認。日報は存在しないと回答した。
布施氏が防衛省から送られてきた「行政文書不開示決定通知書」をTwitterで公開したところ、4000件近いリツイートがあり、一連の経緯を知った自民党の河野太郎衆議院議員が、日報の存否を再調査するよう防衛省に要求、稲田朋美防衛大臣も文書の再捜索を指示した。再調査した結果、日報の電子データが残っていたことがわかった。
しかし、防衛省の統合幕僚監部は、当時の稲田防衛大臣に直ちには報告せず、データが残っていたことが大臣に報告されたのは、1カ月後の2017年1月27日。2月7日になってようやく、部隊の警備や他国から得た情報にあたる部分を黒塗りされた日報が公開された。
公文書管理法では、文書の種類や内容に応じて文書の保存期間を、1年未満、1年、3年、5年、10年、30年と定めている。1年以上の保存期間となる行政文書は「行政文書ファイル管理簿」に記録されて公表される。廃棄した場合でも行政文書ファイル管理簿に記録される仕組みになっている。また、1年以上の保存期間にあたる文書の場合、廃棄にあたり内閣総理大臣の同意を必要とし、実際には内閣府公文書管理課が審査を行っている。
公文書の保存期間は、各機関が独自に「行政文書管理規則」として規定しており、自衛隊の日報は1年未満にあたるとされていた。しかし、防衛省は自衛隊の日報をめぐる騒動を受け、行政文書管理規則を改正。これにより日報の保存期間は10年となった。
“アンチ稲田大臣”の存在が……?
南スーダンPKO日報を探せと指示した当時の稲田朋美防衛大臣は、「ない」と報告を受けたから「ない」と言ったんでしょう。彼女が嘘を言ったとは思わない。
でも、防衛省、あるいは自衛隊の内部で日報の存在はある程度認識していたはず。現場の判断で電子データとして保存したといっても、報告ぐらいは上がっているだろう。どのクラスまで知っていたかはわからないが、個人の独断で勝手に保管していたとは思えない。
稲田大臣が「探せ」と言明した際に、防衛省が組織として日報の存在を把握していた上で、稲田大臣に「ない」と報告したのなら問題だよね。“アンチ稲田大臣”の空気が省内に流れていたのかなと、勝手に詮索してしまう……。
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