国政調査権こくせいちょうさけん
衆参両院に与えられた証人喚問や参考人招致を行なう権利
日本国憲法62条で衆議院と参議院に与えられた、国政に関して調査を行う権利。証人喚問、書類提出の要求、閣僚・省庁幹部からの説明聴取、参考人の意見聴取、議員派遣などができる。
「国政」の範囲には、立法・行政・司法を含むが、一般に司法権の独立により訴訟係属中の裁判や裁判官個人の資格などには及ばない。また、純粋な個人のプライバシーを侵害することはできないとされる。
証人喚問権に関し、各議院規則では、委員会にその権限を行使させることとなっており、証人喚問の議決は1955年以降、全会一致が原則。なお、出頭した証人には「議院に出頭する証人等の旅費及び日当に関する法律」により、旅費及び日当が支給される。
宣誓した証人は、議院証言法第4条で定められている証言拒否事由がない限り、証言を拒むことができず、真実を述べなければならない。正当な理由なく証言を拒否したり嘘をついたりした場合には、訴追の対象となる。
国政調査権の根拠に関して、国会が持つ立法権や行政の監視の役割を補完するための補助的権能であるとする説(補助的権能説)と、国会が国権の最高機関であることを理由にした独立の権利とする説(独立権能説)がある。
議員個人で調査できるようにすべき
国政調査権は、国会議員ではなく、衆参両院にあるんだよね。証人喚問をする際も全会一致が原則。
これが問題で、国政に問題点を感じた野党が調査するために国政調査権の発動を委員会に諮っても、国政を担当している与党がノーといえば終わり。仮に与党が世論の流れに押し切られる形で証人喚問に同意しても、司法のように強制捜査ができないから、「記憶にない」と言われても立証ができない。その結果、ただの茶番になってしまう。
国政調査権を設定するなら、国会議員が個人で調査できるようにするなど、野党だけでも権限が行使できるようにならないとおかしい。
与党としては、できるだけ証人喚問に応じたくないだろう。司法の世界でも、逮捕されただけでは推定無罪。でも、「逮捕」という事実は重くのしかかる。同じように、証人喚問に呼ばれただけでは白でも黒でもないはずなのに、呼ばれただけで周囲には黒だと映ってしまうから。
証人喚問に呼んでも野党のあの無能振りでは何も解決しないよ。森友学園問題に関して、「刑事訴追の恐れがあるから証言を控える」と佐川前国税庁長官が言ったとき、「刑事訴追の恐れがあることをしたんですね?」と追い込めばいいのに、むざむざと引き下がる。国会を止めてまで証人喚問を実施したのに、あれでは本当に意味がない!
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