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危機管理ききかんり

危機の前後で対処法を想定

大規模災害時や企業・組織の不祥事、機密情報の流出など、現代社会にはさまざまな危機が潜んでいる。その危機が現実となったとき、組織のトップやマスコミ対応をする広報の危機管理能力次第で、より燃え広がったり、被害が思わぬ方向に飛び火したりする。角界の不祥事に対する相撲協会や2018年の日大アメフト部悪質タックル問題は、それが顕著に表れた例だといえる。

災害時に行政が取るべき行動をあらかじめ想定した危機管理マニュアルの作成だけにとどまらず、民間企業やそのほかの組織も、危機発生時に取るべき行動を記したマニュアルを作成しておくことが望ましい。

危機管理の基本思想は、実際に危機が発生する前の、危険予知・予防措置・発生時の準備が大半を占める。事態が起きてから対処したのでは遅い。危機が発生してからの事後処理としては「発生中の被害を最小限に食い止める」「危機のエスカレーション、2次被害を防止する」「危機を収束させ正常な状態に戻す」を念頭に行動することが必要とされる。

日本語では「危機管理」としてひとまとめにされているが、欧米では危機の発生を予防するためのリスクの分析を「リスクマネジメント」、危機の発生後の対処方法を「クライシスマネジメント」と分ける場合が多い。

不祥事が起きたら速やかにトップが出て来ないとダメ

危機管理に関して言える大前提は、正確な情報を収集できる体制をいち早く整えて、正直に情報を公開すること。国家の危機管理に関しては、国家機密もあるだろうし、パニックになることも想定して、ある程度公開すべき情報の精査は必要だけど、基本的に情報を隠してもいいことは一つもない。

企業や組織の不祥事・事故においては、何千人も従業員がいれば、ときには問題がある人もいて不祥事を起こすだろう。

でも、それを許した企業風土があるわけだから、やはりトップの責任問題。トップがすべてを把握するのは無理だとしても、風通しのいい組織にしておけば、問題の芽があれば事前に対処できるだろうから。問題が起こらないように組織運営するのも危機管理のひとつだといえる。

昔は企業の不祥事でも、トップは出てこなかった。副社長や取締役クラスが記者会見で謝罪するのが関の山。でも、そんなの現代では通用しない。トップが出てこなかったら、事態が延焼するだけだから、速やかにトップが動かないとダメ。

また、不祥事が起きたときに「トップが出ないと、組織が壊れますよ」と説得して嫌がる社長を無理にでも引っ張ってくるのが広報の役目。社長を動かすのは、広報マンのスキルだよ。

自分では言いにくいことなら、記者に情報をリークして外から言ってもらうなど、昔の広報マンはマスコミの使い方がうまかった。そのために普段からマスコミと良好な関係作りをしていたよね。

広報は外に向かって企業メッセージを発信する役割も担うけれども、同時に外からのメッセージをどうやって企業内部、特に経営層に伝えるかも大きな役目なんだよ。社長の顔色ばかりうかがって、「世の中はこう見ていますよ」と社長に言えないようなら、広報失格だ。

 2019.02.15更新

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