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芥川賞・直木賞あくたがわしょう・なおきしょう 芥川龍之介賞・直木三十五賞

意外な有名作家が受賞を逃している

小説家であり、文藝春秋社の創始者でもある菊池寛が、1935年に創設した文学賞。年に2回、公益財団法人日本文学振興会によって選考され、授賞する作品は選考委員の合議によって決定される。

芥川賞と直木賞の受賞者記者会見とその翌月に執り行われる授賞式は、帝国ホテルで行われ、受賞者には正賞として懐中時計、副賞として100万円が贈呈。受賞作が『文藝春秋』(芥川賞)、『オール讀物』(直木賞)に掲載される。

創設当初は、芥川賞が純文学を、直木賞が大衆文学を対象とした新人賞であったが、純文学と大衆文学の境界線があいまいになるにつれ、芥川賞が新人、直木賞が中堅作家を中心にした賞と認識されるようになった。

1956年に石原慎太郎が『太陽の季節』で芥川賞を最年少受賞(当時)したのを機に広く注目を集め、その後は、大江健三郎、村上龍、綿矢りさ、又吉直樹(芥川賞)、司馬遼太郎、池波正太郎、五木寛之、東野圭吾、池井戸潤(直木賞)など多くの有名作家が受賞している。戦後の文学史に名を刻む有名作家のうち、太宰治、三島由紀夫、村上春樹などが、芥川賞の受賞を逃している。

選考委員は、それぞれ以下の通り(2018年3月現在)。

芥川賞:小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・高樹のぶ子・堀江敏幸・宮本輝・村上龍・山田詠美・吉田修一

 

直木賞:浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき

話題性は高いが神通力には陰り?

毎回、芥川賞と直木賞は話題になるから、ニュースとしては知っていても、受賞作を読むことはあまりないね。特に、芥川賞は“純文学”の香りがするから、よほどのことがない限り読みたくない。やれ夏目漱石だ、森鴎外だ、と学生時代に散々読まされたからね。純文学系の小説はもうお腹一杯。

一方、普段は小説を読まない人でも、芥川賞と直木賞の受賞作だけは読む、という人も少なくない。アカデミー賞を獲った映画を見る人や、グラミー賞を受賞したCDを買うのと同じ心理なんだろうね。でも、以前に比べれば、芥川賞・直木賞の神通力も落ちたんじゃないのかな。出版業界も長く右肩下がりが続き、本離れも深刻なようだからね。

 2018.4.19更新

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