衆院選しゅういんせん 衆議院議員総選挙、総選挙
衆議院議員総選挙の略。両院制における下院にあたる衆議院の議員を選出するための選挙。
衆議院は、法律や予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名などについて参議院に対する優越が制度化されていて、議院内閣制に基づき政権の基盤を構成することが求められる。内閣総理大臣は国会議員なら衆議院・参議院いずれの議員でもいいが、1947年の日本国憲法施行後に就任した内閣総理大臣はすべて衆議院議員。
議員定数は、「1票の格差」是正のため、2013年の公職選挙法改正により480人から475人へ、2016年の公選法改正により465人へと変更された。衆議院の任期は4年だが解散があり、衆議院が解散となったの場合、任期満了前に終了する。戦後、任期満了になったのは、1976年のたった1度しかない。
選挙は小選挙区比例代表並立制で行なわれ、各選挙区から最多得票者1名が選出される「小選挙区」で289人、全国を11のブロックに分けた比例代表選挙区ごとに各々の政党の得票数に応じて比例配分が行なわれた上で当選者が決定される「比例代表」で176人を選出する。
衆院選の事務経費は約700億円といわれており、有権者一人あたり700円の税負担となる。しかし、第一生命経済研究所が2005年に発表した経済レポート「衆議院選挙活動の生産波及効果」によると、2005年の総選挙時には、約2227億円の経済波及効果があったという。
総選挙は、政権選択の選挙。与党にとっては、今までやってきたことを採点される機会。野党にとっては、政策を打ち出して政権を獲得するための機会。
政治家のことを代議士というけど、参議院議員は代議士とは呼ばない。衆議院議員だけ。つまり、国民の代表は衆議院のなの。参議院は、衆議院をチェックするための機構なんだよ。
でも、最近は参議院にもほぼ同等の力があって、解散も無いから、衆院選で信任を受けたからといって、4年間政権が約束されるわけではない。衆院選と参院選で少なくとも2年に1回は国政選挙があるために、短期的な政策しかできなくなる。
イギリスの場合、下院は任期が5年、最初の2、3年で、人気は無いけど必要な改革を実施して、残りの任期で改革の必要性を理解し実感してもらう。
第1次安倍政権は、2007年の参院選で歴史的な大敗を喫し、自民党は結党以来初めて参議院の第一党の座から落ちた。それがきっかけで、安倍首相は総理の座を降りたわけなんだけど、つまり参院選でも政権が評価されることで、常に有権者の人気取りを意識しなければなくなる。これでは、イギリスのように腰を据えた政権運営ができなくなり、必要な改革も実施できない。
だから、参議院から選挙を無くして名誉職の貴族院に戻すか、参議院の持つ力を大幅に制限して政権の評価を衆院選に任せるべきだ。