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存在意義が揺らぐ、“元”良識の府

衆議院とともに日本の国会を構成する議院。両院制における上院にあたり、公職選挙法によって定められている議員定数 は248。都道府県を単位とする選挙区選出の議員が148人、全国を単位とする比例代表選出の議員が100人。議員の任期は6年で、任期途中での解散はなく、3年ごとに半数を改選する。

第2次世界大戦後、貴族院に代わって設置された当初は無所属議員が多く、政党を中心にする衆議院とは異なる角度から法案を審議することで、衆議院の多数派による暴走を防ぎ、多様な意見を国政に反映させる役割を持つとされ「良識の府」と呼ばれた。首相指名や予算の議決では衆議院が優越するが、法案は参議院が否決すれば衆議院の出席議員の3分の2以上の賛成がなければ再可決できない。

衆議院に比べ改革には積極的な姿勢があり、議長の党籍離脱や強行採決の排除、国会テレビ中継の導入などは参議院が先に始めた。議員の任期が長いことを生かし、長期的な問題を議論する調査会などの独自機関の設置にも積極的に取り組んでいる。

1998年の第142回国会から導入された「押しボタン式投票」 は、参議院の大きな特徴の一つといわれる。自席にあるボタンを押すことで投票を行うため、牛歩戦術のような抵抗ができず、議事の迅速化に効果があり、投票で個々の議員がどういう判断を下したか参議院の公式サイト上で公開され議事録にも掲載されることから、議員の政治責任を明確化しやすい。

ただ昨今、政党化が進むにつれて“衆議院のカーボンコピー”と揶揄されるようになり、参議院の必要性や存在意義は繰り返し議論されている。

今の参議院なら「いらない」

「衆議院の優越」といわれているけれども、参議院は衆議院とほぼ同等の権利を持っている。二院制を採用するなら、本来はもっと違った役割を持つように制度設計した方が立法府としてより民意を反映できるのではないかな。

そんなわけで、今の参議院なら「いらない」と僕は思う。不要、無くしてOK、ただの無駄。参議院を無くして、その予算の半分でいいから衆議院に回して、代議士の公設秘書を増やすなどして国会議員らしい仕事をしてもらいたい。

「代議士」と呼ばれるのは衆議院議員だけ。その意味では国民の代表はあくまで衆議院であり、参議院はそれを監視するための機関。政治家が6年間の任期でじっくり長期的な政治に取り組め、「良識の府」といわれていたんだけどね……。今は存在意義が疑われるほど、役割を失っている。でも、参議院を無くして一院制にするとなると、憲法改正以上の反発があるだろうな。

衆議院が4年の任期を全うすることなどほとんどなく、加えて参議院の選挙が3年に1度あるため、日本では3年と経たずに国政選挙がたびたび実施されることになる。そのため、政権与党は選挙をにらんだ政策に躍起になり、本来必要な長期的な視野に立った政策がおざなりにされているという指摘もある。

 2019.8.20更新

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