女性活躍推進じょせいかつやくすいしん
女性の力を“我が国最大の潜在力”だと位置づけた政府は、あらゆる状況におかれた女性が自らの希望を実現して輝けるように、2016年4月「女性活躍推進法」を施行。それに伴い、従業員301名以上の企業に「自社の女性の活躍状況把握、課題分析」「行動計画の策定、届出」「情報公表」を義務付けた(300名以下の企業は努力義務)。取り組みの実施状況が優良な企業は、申請すると厚生労働大臣の「えるぼし認定」を受けることができる。認定マークを広告や商品につけることができ、女性の活躍を推進している企業だとアピールすることは、企業のイメージアップや優秀な人材確保へとつながる。また、えるぼし認定企業は、公共調達の際、加点評価され有利に。
「女性活躍推進法」の施行当時、46社だった認定企業は、2017年8月現在392社となり、今度も増える見込みだが、“働きたくても働けない女性が約300万人”“第一子の出産を機に6割の女性が離職”“育児後に再就職する際はパート・アルバイトになる場合が多く、女性雇用者における非正規雇用者は6割近い”“女性の管理職は1割程度で、国際的に見て低い水準”など、社会全体で解決が必要な課題は多い。
女性が社会で活躍するのは良いことだし、女性には出産という大事なライフイベントがあるから、社会全体でサポートできる体制は作った方がいい。政府も女性活躍担当大臣を置いて政策を進めようとしているが、これといった具体策はまだ出ていない。「第3号被保険者」や「130万円の壁」など、変えていかなければならない部分はたくさんある。
今の税制や社会保障制度の下では、既婚女性が働こうと思ったとき、世帯収入をコントロールするために働くのをセーブするという現象が起こるけど、そこは税制や社会保障の改革で対応できる。まずそこを改善すれば、家事や育児をしながら働ける女性は増えるんじゃないかな。
日本は女性役員の比率が先進諸国で最低水準だといわれているけど、今の経済界でトップを務める世代の心の奥底には、まだ「男尊女卑」の発想が残っているんだよ。たぶん昭和の婦人運動家・平塚らいてう(らいちょう)の時代から大きく変わっていない。あと数年して経済界の世代交代が進めば、それも変わってくると思うけどね。大体、男女交機会均等法とか、男だ女だと区別してるからダメなんだ。