法務省
“人”の登録や証明に関する事務を担う
法務に関する国の行政事務を主管する機関。検察、行刑、恩赦および更生保護、国の利害に関係ある争訟、国籍、戸籍、登記、人権擁護、出入国管理、外国人登録、破壊的団体の規制など、司法制度および法務に関する法案作成などの事務をつかさどる。
部内には、大臣官房のほか、「民事局」「刑事局」「矯正局」「保護局」「訟務局」「人権擁護局」「入国管理局」の7つの内部部局があり、刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所、婦人補導院、入国者収容所などの施設を管理する。法制審議会や司法試験委員会、検察官適格審査会などの審議会・委員会などを設置、法務局、地方入国管理局、保護観察所など6つの地方支分部局を持つ。
そして、検察庁法に基づいた特別の機関として検察庁がある。検察庁は最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁及び区検察庁に分かれ、それぞれ最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所及び簡易裁判所に対応して置かれている。
法務省と検察庁の関係が面白い
司法ではなく、行政機関である法務省は、何をしている省庁か見えにくい。ニュースで取り沙汰されるのも死刑執行のときだけ、そんなイメージがある。実際には、刑務所の管理運営と、入国管理をしているところ。戸籍や不動産登記などをつかさどっているのも法務省。
法務省は検察庁との関係が面白い。検察庁は法務省の下部組織のように見えるけど、序列でいえば、法務省の事務次官よりも検事総長の方が上なんだよね。
具体的な事案に対する指揮権の発動は、検事総長を通じてのみ行えると法律で規定されていて、法務大臣が特定の事件に関して検察官に対し直接指揮できない。しかも、法務大臣と意見が対立した場合、「法務大臣の指揮に従わないこともあり得る」と述べた検事総長もいたぐらいだからね。
それぐらい検察庁は、強い独立性を持っている。だから、東京地検特捜部は、政治家を逮捕できるんだよ。