アジア開発銀行あじあかいはつぎんこう ADB
日米主導の国際銀行
アジアの諸国に開発資金を融資するために設立された国際銀行。経済および社会問題全般に関する議決や勧告を行う国連の機関「経済社会理事会」の地域委員会であるアジア太平洋経済社会委員会の発案により1966年に発足した。
ADBへ参加しているのは、67の国や地域。その内、日本、中国、韓国、インド、オーストラリアなど、アジア太平洋地域の域内国が48、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツなど欧米諸国が19となっている。
議決権は出資比率に応じて決まっており、2015年末のデータでは、日本が最大の15.6%、次いでアメリカ15.5%、3位中国6.5%、4位インド6.3%、5位オーストラリア5.8%。EU諸国は合計で14.4%。フィリピンのマニラに本部を置いているが、日本が最大の出資者である関係もあり、歴代の総裁はすべて日本の財務官僚か日本銀行幹部。日米主導の組織であるといわれるゆえんだ。
2015年末、日米が主導するADBだけでは賄いきれない、アジアのインフラ整備のため、中国の主導でアジアインフラ投資銀行(AIIB)が設立された。2017年には、アジア開発銀行を上回る70の国や地域が加盟。アジアでの中国の覇権拡大と、日本では危機感を募らせている。
自分たちがやるべき責務を粛々と果たせばよい
主に東南アジアの開発・発展には必要な機関だったと思うけど、現在は、東南アジアのインフラもだいぶ整い、民間企業が自らの資金で東南アジアに積極的に進出して工場などを設立しているから、ADBの役割は終わった感も否めない。
ADBが融資したインフラ整備事業に、日本のゼネコンが参入することもできるし、そうなれば日本の経済にも好影響をもたらすから、もう少し頑張ってほしい。日本とは勝手が違うから、技術を持っている日本の企業でも、現地の流儀に合わせないといけないなど、国内で事業を進めるのとは、また違ったリスクがあるだろうけどね。
中国がAIIBを作って、日本に対抗しようとか画策しているけど、中国はアジア各国で人気が無いからな。人から聞いた話だけど、中国はミャンマーに巨額の投資をしているけど、それで現地の人間に感謝されているかといえば、そうではないらしい。
ADB対AIIBと短絡的に考えず、ADBは自分たちがやるべき責務を粛々と果たしていれば、世界の国々は気づくと思うよ、日本と中国、どちらが尊敬に値する国で、どちらと共栄すべきなのか。